私、ラジオに出演して

SKY PerfecTV!で放送されているCS衛星ラジオ、
STAR digio』STATION400(Ch.400)内の番組
『CMJ JAPAN presents 突然!MY STANDARD』に
ゲストとして出演させていただくことになり、
昨日収録を行ったのですが、
この番組に出演するのは2度目なはずなのに
なぜか降りる駅を一駅間違えるという、                                                                        
「買い物しようと街まで出かけたが財布を忘れて愉快なサザエさん
みたいな愉快なミステイクを犯してしまい、
(スタジオのある目黒駅で待ち合わせだったのに
なぜか五反田駅で降りて自信満々にずっと待ってました)
関係者に失笑されてルールルルルルーという感じだったのですが
まあそれを除けば収録はうまくいったんじゃないかと思います。


番組では主に「インスト曲に命名するという行為」について
語ったのですが、例えば「疾風スカート」の場合、
スカートが舞う躍動感をサウンドとして表現しているわけですが、
聴く人によってイメージするスカートの種類が違うし、
それがミニかロングか生地は何なのか、
着ている女の子がいくつなのかどういう関係なのか、
その躍動感にも解釈の幅が聴く人の数だけ生まれるという話をして、
言葉がないという状態が逆にいかに饒舌になるのかという
その表現のヒントを語ったのですが、
(ちなみに番組パーソナリティーの福田さんは
宮崎駿のアニメに出て来る女の子の躍動感を思い出した』そうです)
これが曲タイトルが「A」とか漠然としたものだったら
ただでさえ抽象的なインストがさらに漫然としてしまうわけで、
そこにタイトルを付けることによってイメージや言葉を
聴く人の中に生じさせる、
いわば音を映像化、言語化させるための装置として
タイトルが機能しているということを延々話したのですが
なかなか自分でも面白い話になったと思います。
「スカートが舞う感じ」を明らかに言語化するには
スカートを舞わせてる女の子の容姿や年齢、
その行為の目的や前後のドラマや感情、
スカート自体の形状や生地などに触れなければならないわけで
(それらに一切触れずにスカートが舞う躍動感を言語化する術が
あったらそれはそれで読んでみたいですが)、
それではスカートのイメージがひとつに限定されてしまうし、
スカートが舞ったことへの感情もある程度予測されてしまうわけです。
ただ「疾風スカート」という言葉を投げた状態だと、
聴く人によっては自分の娘の元気な疾走姿を思い出すかもしれないし、
恋人が階段を駆け上がった時の感じ、
ダンサーがくるくると回った時の鮮烈な印象、
あるいは自分自身を思い出す人もいるかもしれないし、
どうとでもイメージ出来るわけです。
(スカートの色も柄も赤、白、オレンジ、チェックなど
聴く人によって違うスカートになるでしょう)
「スカートが舞ってる感じを音にする」という表現には
そういう自由な感情を投影出来るメリットがあるのです。
結局のところインストは言語と言語の行間みたいな部分、
つまりは「言葉に明確に出来ない部分」を表現するもので、
その言葉がない部分から言語よりも饒舌な感情を生み出す為には
何かしらのヒントが必要になるわけで、
それがタイトルであるというのが私なりの持論なのですが、
つまりそれって自由な解釈をリスナーに委ねるわけで、
リスナーが理解出来なければ、しようとしなければ終わりで、
まあそんなイメージをしないで漠然と曲を聴いても
楽しめる人がいればそれがそれで全然オーケーだと思っているのですが
能動的に楽しもうとしている人がいれば
そういうヒントになることを聞いてもらえると嬉しいなと思うわけです。
文学においてその文体を楽しむ人は
ストーリー性関係なく言葉そのものに甘美なる快感を抱くし、
音楽を本当に好きな人はサウンドのあらゆる部分に心を動かし、
何かしらの感動を抱くもので(言葉がなくても)、
私は基本的に自分のインスト曲を好んで聴く人は
本当に音楽が好きな人たちばかりなのだろうと思っているのですが、
そういうリスナーの感情を動かす音を私は作らなければならない、
ということを昨日話しながらちょっと思ったりしました。
「サイクル曜日」が果たして何曜日なのか、
買い物に行く時の高揚感なのか、
恋人に会いに行く時の曲ならそれはラブソングになるし、                                                    
仕事に出かける時の曲なら自分を鼓舞する応援歌にもなるし、
言葉のない「サイクル曜日」という曜日を
どういう曜日にするのかはリスナーが決めることで、
日によって違うものでも良いし、iPodかなにかで持ち出して
自由に鳴らしてほしいと思っています。
言葉のない音楽を単にメロや音構成のみの快感で作ってるわけではなく、
例えば「サイクル曜日」なら
「自転車に乗っている時の高揚感」を表現する為に
すべての音が鳴らされているという点を強調しておきたいです。


みたいな話を笑いを交えながら話したのですが、
実際にはもっと適当な感じで喋っています。
「萌えー」とか言いながら。
聞く環境をお持ちの方はぜひ聞いてみて下さい。
27日(?)オンエアだったと思います。


しかし「宮崎駿のアニメの女の子をイメージした」という感想に
私ははっとしたのですが、
自分の潜在意識に確実に「魔女の宅急便」のキキの
スカートの舞う感じとかイメージされていたはずで、
そうか、それだったのかーとか改めて思いました。
「好きなタイプの子は『魔女の宅急便』のキキみたいな子」と言ったら
女子にドン引きされたことがありましたが、
私はいまだに「魔女の宅急便」を見る度泣いてしまうのですよね。
あれと「未来少年コナン」で決まりですよ宮崎アニメは。
って結局何の話をしているんだって感じですが。