私、腑に落ちて

先日、劇作家の本谷有希子さんが
トップランナーという番組に出ていたのを視聴したのですが、
あれだけの生々しい感情や奥底の毒気を具に描写する
冷酷とも取れかねない観察っぷりと凄みのある文体が
あのような可愛い女子から発せられているという事実に
何だか改めて驚かされたりしたのですが、
役者に対しての発言などに表現者としての強固な意思も垣間見れ、
この人は相当男前かつタフな人なんじゃないかなどと思ったりしました。
屈折した自意識を持て余すことなくこうした表現に昇華出来る才能に
私は感心しつつも、その屈折っぷりを語る彼女の様子を見てて
表現者というものは多かれ少なかれそんなものじゃないかと
その表現の根源みたいなものに対して自分の中で腑に落ちたんですが、
まあ女の子のそれと男の場合はまた違ったりするので
何となくわかった、という程度の理解ですけどね。
(実際、本谷有希子を評価する男子と女子の目線は異なるというのは
ルックス云々の話題を除いてもあると思うんですけどね。)
また「自分の物語はすべてハッピーエンドである」という
彼女の発言にも私は何だか腑に落ちたのですが、
腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」という作品の終わりに
私は希望と絶望の両方を見たような印象で、
これは書いている本人はどっちへ向けているつもりなのか
そこがちょっと気になっていたんですよね。
それにしても本人の朗読が非常に魅力的だったので
朗読アルバムとか出たら買うよ私は、などと思ったのですが
調べたら声優なんかもやっていたんですね。
そこも腑に落ちたんですが。


近く「腑抜けども〜」の映画も公開されるそうですが
何となく二度も反芻する気にならないお話だし、
そっちはあんまり見たい気が起こらないんですけどね。
小説読んだだけで満足したので劇団のお芝居のDVDも
見るの途中で止めちゃったし。
(貸してくれたTくんには申し訳ないんですが・笑)
劇がメインなのにいいのかそれでという感じですけども。
私はどちらかと言うと彼女の文体に惹かれた感じなんですよね。