実写版からハチクロに入門

ふと思い立って「ハチミツとクローバー」という映画を
(原作もアニメも見ていないのに)実写版で鑑賞したのですが、
美大生5人が恋してどーのこーのらしいとかいう前情報のみで、
胸キュンでもしようかなと意気込んで鑑賞したんですが、
結論としてはさほど胸キュンせず、原作から見るべきだったかも、
と少しばかり後悔するに至ったのですが、
(ここからはネタばれあるので注意してお読み下さい)
実写でざっと見た感じでは「安っぽい恋愛ドラマ」という印象で、
面白くなるであろう要素はたくさん存在してるのに
全体的に薄っぺらく料理されてる感じだったんですが、
おそらく原作とは全然違うと想像されたんですけどどうでしょう。
良かったのは蒼井優ちゃん他、一部のキャスト陣の演技と
スピッツの主題歌と、「人が恋に落ちる瞬間を初めて見てしまった」
「草原を作るには蜜蜂とクローバーが必要だ」という秀逸なコピーと、
加瀬亮くんの着てたフレッドペリーの衣装(笑)、くらいでしたね。
何か途中で白けてしまってツッコミながら見てしまったんですけどね。
全体的に描き方が消化不足という感じだし、音楽の使い方も微妙だし。
(劇中歌もスピッツ使えば良かったと思うんですが。)


特に伊勢谷友介氏演じる森田というキャラの奔放な感じが
見ていて白けてしまったんですが、
自分が作って展示した作品なのに納得がいってないから、
気持ちが全然入ってないからという理由だけで
最後火を点けて燃やしちゃうという身勝手さに私は爆笑したんですが、
(画廊に行くまでの短い時間に灯油をどこから調達したのかとか、
画廊に突入した時点で警報が鳴るんじゃないかとか、
普通あんな燃えたら火災報知器鳴るんじゃないのとか、
ツッコミどころ満載なんですけどね)
500万円で売約済みなのに燃やしちゃって先方にどう詫びるのかとか、
一介の学生の作った見るからにしょうもない彫刻作品に
500万の値が付いてる時点でそもそも茶番だよなあとか、
あのシーンが原作にあるのかどうかわかりませんが
高度な失敗に終わってると思いました。
「燃えてるのはオレの作品じゃない。札束だよ。」
とか実に笑わせる台詞を吐くんですが、
いや、それあなたの作った作品ですから!責任持って下さいよ、
札束じゃないですよ、今はまだ!
と彼に3時間ほど説教したくなりました、大人な私は。


あと加瀬亮くんに片想いしてる役の子が美人さんではあるんですが、
彼女から今イチ片想いの切実さと哀しみが伝わって来ず、
どこかで「でも私、プライベートではモテてるし。美人だもん。」
みたいなその美貌から来る余裕が垣間見えてる気がして
(考え過ぎでしょうかね)ちょっと白けてしまいましたね。
子供達に向かって「感じたままに描くのだ!」とか
気取った感じの物言いとか、
私って可愛いでしょアピール満載の目力が
演技の邪魔になってるような印象だったんですけど
そういう役作りだったんですかね。


あと黒い猫がモザイクかかったみたいになってたのは
何の意図だったのか理解し難かったんですが、
原作でもああいう感じなんですかね。
あと、櫻井翔くんの演技は自然でとても良かったですね。
ジャニーズ枠はやはり外れなしだなあと思いました。
先生役の人の存在感もかなり良かったように思いました。


まあでもこれはあくまで実写版の感想なので、
これを踏まえて今度は原作も読んでみようと思いましたよ。
漫画の実写化って商業的には都合が良いんでしょうけど、
全体的にハードル高いですよね。
まあでも蒼井優ちゃんが可愛いかったからまあいっか。
というそんな結論でどうでしょう(笑)。