私、表現の源に触れて

この間読んだ「叱れフルカワヒデオ叱れ」という
短編の独特かつ強烈な文体に惹かれたので
古川日出男氏の著作をブックオフで(またもや!)
何冊か買ってみたんですが、実はそれを読む前に
「文藝」の古川日出男特集の方を先に読んだんですよね。
どんな人なのか興味を持って。
読んでみて向井秀徳氏との対談が特に興味深かったんですが、
そこで自身の創作について、
「日常わざわざお金を払ってCD買ったり小説読んだりする人は
日頃からそういうもので心を埋めたいと思っている、
ある意味日常が戦場状態であるような人で、
そういう人たちに平和を与えるために書く」
というようなことを述べていて、私は深く共感を覚えたのですが、
「そしてそういう状態にある人を惹き付けるには強い力が必要である」
という確信的な発言にあの文体の源みたいなものを見たような気がして
私は何となく腑に落ちたのですが、
これから彼の著作をじっくり読み解いてみたいなと思ったりしました。
こういう表現者同士の対談とかって読んでて面白いし、
創作についての何かしらのヒントも得られるので良いですよね。


対談といえばこの間読んだ「QJ」のヒロトマーシーの対談も良くて、
音楽は自分たちを救ったと思うか?という質問についての
マーシーの答えに私は何だか感動を覚えたのですが、
「当時はわからなかったがロックは自分にとって切実なものだった」
というような発言に、彼らの初期衝動力の源を見たような気がしました。
興味持たれた方は読んでみると良いかと思います。