私、一票を投じて

fishingwithjohn2007-07-30

昨日は「嗚呼、本日も蒸暑く夏日であるのか」と思いつつ
一票を投じに赴くと何故か空が俄にかき曇り、
やがてバケツをひっくり返したような豪雨に見舞われ、
これは選挙戦の波乱振りを象徴するかのような
天気模様であるなあまさに、と思ったりしたのですが
このような大雨は例えば我が身が蛙であるなら天の恵みであり、
嬉しさの余り周囲と合唱するであろうにと思ったのですが
残念ながら私は蛙ではないので合唱には至らず、
むしろ「困ったな」と独りごちるだけに留まったのですが、
突然の雨というのは困るものですよね。
それにしても「バケツをひっくり返したような」という修辞は
陳腐かつちょっと野暮な言い回しに思えるわけですが、
他の適当な言い回しが意外に思いつかない表現でもあり、
結局バケツをひっくり返すしか方法はないのだなと
この雨の規模を述べる手段を私はバケツに見出したのですが、
いわばバケツに一票投じられた形になるんでしょうねこれは。


そして私はその後神森徹也くんの家に赴き、彼のスタジオにて
某プロジェクトの打ち合わせ及びプリプロを行なったのですが、
某シンガーから受け取ったデモと譜面を参照しながら
リズムやコード感などをあれやこれやと探りつつ、
仮で録音なども行なったのですが、
作業するうちに何となくオーガニックな雰囲気になり、
「うむ、これはオーガニックだな。」
「うん、オーガニックに一票だな。」
ということでこちらではオーガニックが当選された形になり、
あとは整理してさらに詰めようという流れになったのでした。
なかなか新鮮な作業になりそうです。
この某プロジェクトの詳細はまた後に紹介出来るかと思います。
あの人の新曲ですよ。


ちなみに神森くんは沖縄帰りで、現地で三線など購入していて、
彼の買って来た沖縄楽器を触らせてもらったりしたのですが、
普段使わない楽器を演奏すると自らの身体性が露になるし、
民俗的な楽器は成り立ちも含め色々な発見があるので
演奏していても新鮮で面白かったりするのですね。
普段とは違う楽器に変えてみたりすることで
新しいアプローチを見つけることってよくあるんですが、
そういう風通しって大事だなと思ったりしました。
そんな考えに一票を投じたという感じで。


で、それから作業を終えての帰り、駅まで2人で歩いていたら
何やら路上に茶色い塊がもぞもぞと動いており、
一体何事かと見やればそれは何と大きな蛙で、
ほう、こんな都会のアスファルトの上にも蛙がいるのかと
ちょっとした驚きがあったのですが、
この大雨に喜々として出て来たのかもしれません。
単独で居たので合唱はしていませんでしたが、
げえこ。などと独唱は行なっており、
蛙はのったりと跳ねながら雨の中を横の植木群に向かい、
やがて我々の視界からゆっくりと消えて行ったのでした。
蛙は何に一票を投じたんでしょうか。
恵みの大雨にでしょうか。
まさに。
バケツをひっくり返したかのような。