白湯の回想スイッチ

このところ連日暑く、滝の如く汗をかいているので
水を一日2リットルくらい飲んで補給しているのですが、
2リットル飲んでも最早足らないくらいで、
もう水に次ぐ水という感じでウォーターを摂取しています。
言うなれば水フェスティバルといった感じです。
まあフェスティバルといっても参加者は私ひとりだけで
することといえば水を飲むことだけですけどね。


そんな水を飲みながらふと思うのは、みんな水は飲むけど
お湯は積極的に飲まないよなーということで、
同じ水だというのに90度から95度くらいまでに熱を加え
(100度越えると気体になってしまうので)
「お湯」という別なる名称を与えただけで
不思議とみんな水ほどには飲まなくなるのですよね。
それならお茶かコーヒーを選ぶよって感じで。
まあ単純に暑い(熱い)からという意外にも
「量が飲めないから」という理由が大きいからなんでしょうが、
お湯を一気飲みする芸当を私たちは持ち得ていないわけで
水分補給には効率が悪いからなんでしょうけどね。
熱いと飲むのに時間かかりますしね。
レギュラーというお笑いコンビの松本くんがツカミとして
「好きな飲み物はお湯!」というフレーズを毎回使用していて、
彼の場合本当に日頃からお湯を飲んでいそうな雰囲気だし、
なかなか味わい深い台詞だなと思っているんですが、
お湯を飲むのが好きという人も結構いるとは思うんですけどね。
前に友達の女の子と話していた時に
「私、実はお湯を飲むの好きなんだよね。」と
小さい声で秘密を明かすように話してくれたことがあって
へえそうなんだーと思いながらも
別に恥ずかしがることもないんじゃないかと思ったんですが、
彼女の中で人に言いにくいことだと思ったんでしょうか。
それ以来コップのお湯を見る度に彼女のことを思い出すんですが、
まさか彼女もお湯で思い出されてるとは思わないでしょうし(笑)、
人は何がきっかけで思い出されているかわからないものですね。


そういえばお湯でどうしても思い出してしまうのが
あしたのジョー」に出て来る白木葉子なんですが、
力石徹が減量によるのどの渇きに耐えられず、
パニックになって水を求めるというくだりで、
いきなり冷たい水は毒だからこれを飲みなさいと
葉子が彼に白湯を差し出すという有名なシーンがあるんですが、
それが妙にうまそうなんですね。
コポコポとかいってコップに注ぐんですが。
でもそれを力石は飲まずに捨てちゃうんですよね。
くじけるところでしたとか言って。
あの時力石が飲まずに捨ててしまった白湯は
さぞかしおいしかっただろうになと思うんですが
白木葉子は力石の死後、コップのお湯を見る度に
彼を思い出してしまうんだろうなと思ってしまうのですよね。
あの時、あの白湯を飲ませてあげられれば良かったのにとか。

私はというと稀に薬を飲む時など、
お湯にちょっと水を足してぬるま湯で飲んだりするんですが、
その時など「ああ、力石はこれを飲めなかったんだなあ」と
ふと想いを馳せながら飲んでしまったりします。


ところで今日は終戦記念日ですが、
こういう特別な日をきっかけに昔のことを思い出したり、
語ったりするということはとても大切なことのように思うし、

また思い出すべき人や物事があるのは
とても良いことのような気がします。
日常においてもお湯を見たりとか(笑)の些細なきっかけで
思い出したりすることもありますしね。