陸の見つからない漂流者

fishingwithjohn2007-10-28

そんなわけで台風の中、ラップして来ました。
ご来場下さった方々、どうもありがとうございました。
生憎の天候ながらお客さんの入りも良くて、
楽しいイベントでした。


実は今回バンドでのリハを1回しかしておらず、
本番で突然「いきなり入るからよろしくねん」と言われ、
よろしくねんと言われてもそうですかという感じだったりして、
案の定、入るべきところで入れなくて「うわ、逃したし!」
とか動揺したりしたんですが、その後何事もなかったように入り、
何とか1曲務められました。
反応もまずまずだったので良かったです。
ヨシカワくんに「元ボーカリストだけあって声、良いっすね。」
と言われたので取りあえず一安心(?)しました。
ただ視線をどこに定めて声を発すれば良いのかわからず、
目が陸の見つからない漂流者の如く泳ぎっぱなしで、
アクションも微妙に奥ゆかしい感じキープでしたけどね。
まあ機会あればまたやりたいと思います。


久々に見た共演のサンガツ、MAS、asanaも凄く良かったです。
サンガツは前に見た時からアンサンブルが激変していて、
より現代音楽よりというか、ストイックかつ攻撃性を増したような
独自のサウンドになっていましたが、
私としてはこういう路線の方が今はしっくりくるというか
大好きな感じなので良かったです。
ギターの小島さんと色々話せて良かったです。
MASもタツヤさんの曲作りのセンスに改めて感心しました。


ライブ後はasana御一行とジマニカ氏と石本さんとMASタツヤさんで
韓国料理屋に赴き飲んだのですが、
黒豆マッコリというのが美味でした。
この店には有名人のサインがいっぱい貼られていたのですが、
中に東京ダイナマイトのもあったので
東京ダイナマイトも来てますね」と石本さんに言ったら
東京ダイナマイトって誰?」というので
「や、オフィス北野所属の漫才コンビで」などと説明したのですが
夜更けの韓国料理屋でなんで東京ダイナマイトの説明を
私はしておるのだろうかとふと不思議に思ったりしつつ
目の前の鍋をぼんやりとつついたりしたのですが、
まあそういう感じの時間帯にうだうだしながら飲んでいたわけです。


その後石本家に行って早速pasadenaのライブ映像を鑑賞し、
私のラップ模様を振り返ったりしたのですが、
コマオが寝ぼけた感じで私の足下に寄って来て私の手を舐めたので、
可愛いなーなどと頭を撫でたりしてたら
いつの間にか私のラップは終わっていて、
最後の曲になっていたのでした。
それを見ながら「良い曲だな。」と言うと
コマオは「にゃー」と鳴いたのでした。
寝ぼけたような顔で。
優しい声で。


ところで大谷能生さんに著書にサインをして貰ったのですが、
書いてもらいながら「僕、今日誕生日なんですよ」と言ったら
「お、そうなの。おめでとう!」と
すかさず「Happy Birthday」と書いてくれて、
見ていたらその綴りがすらすらと淀みなかったので
大谷さんは普段からHappy Birthdayを書き慣れているのかな、
などとぼんやり思ったりしたのですが、
(まあでもそれくらい書けるか普通に、
とすぐ後に思い直したりしたのですが)
そんな感じで淀みなく彼のHappy Birthdayが記されることになり、
スペシャルな感じのサインになったのでした。
このサインを5年後の同じ日に見たとして、
「5年前の同じ日に自分は大谷さんにこれを書いてもらったのか」
などと5年前の記憶を思い出す装置として機能するのかと思うと
何だかロマンチックな感じもするのですが、
どうなんでしょうか。


そんなわけで誕生日のお祝いメッセージを下さった方々、
どうもありがとうございました。
今後も身を削って(?)様々な表現に挑もうかと思います。
特に失うものはないのだし。
それくらいしかすることもないのだし。
大丈夫、急ぐ旅ではないのだし。
急いでないし、旅でもないし。