4分33秒を朗読せよ

クランプスというイタリアのレーベルの
主に実験音楽を中心としたnova musichaシリーズのアルバムが
今回全タイトル紙ジャケ再発されたんですが、
アルバムのジャケデザインがどのタイトルも秀逸だし、
内容的にもそそられるものばかりで全部集めたい欲望に駆られています。
シュトックハウゼンの一番弟子であるコーネリアス・カーデューの
アイルランドにおける四つの原則」というのから聞いてみたんですが
難解なイメージを抱きがちなコンテンポラリー・クラシックながら
ピアノソロ演奏による美しい調べ満載で、
普通にしみじみと和みながら聞いてしまいました。
こういうのカフェとかでかけてもお洒落で通用するんじゃないの、
と思って解説読むと全部政治的な内容の曲なんですけどね。
ジャケの縄跳びしながら駆けて行く子供たちのモノクロ写真と
壁の文字の配列とタイトルのフォントなど
部屋に飾っておきたい実にナイスでクールなデザインです。
紹介しようと思ったら画像出ませんでした。
興味ある方はCDショップで見てみて下さい。
私が買ったショップではこのCDの隣にジョン・ケージの有名な
キノコジャケのアルバムが置いてあり、
それを熱心に試聴している女子がいたのですが、
もし聞いてる曲が「4分33秒」だったら4分33秒ほぼ無音なので、
へッドフォン越しに店内でかかってる曲を
うっすらと聞くリスニングになるかと思われ、
それはそれで面白い聞き方じゃないかと思ったりしました。
しかし知らないで「このヘッドフォン故障してませんか?」とか
言い出す人とかはいないのですかね。



新潮2008年1月号の付録に作家の古川日出男氏が
日本の近現代の有名詩を朗読したCDが付いていて、
立原道造とか中原中也とか宮沢賢治とか三好達治とかを
独特な解釈で声に発して読んでいるのですが、
こういうのって自作の文体を自ら声に発することに意義があるので
人の文体を朗読するのってどうなのと思ったりしたのですが
この詩をこの人はこう読むのか、という
新鮮な印象を受けたりしてこれはこれで大変面白いなと思いました。
小説と違って読み方に個性が出ますからね詩は。
読む人が勝手に曲を付けるような感じでもあるし。
作家の朗読盤って今後もシリーズ化したら面白いんじゃないでしょうか。
本谷有希子さんが官能小説を朗読するとか
そんなCDあったら聞いてみたいですけどね。
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