悪魔のチェーン

今日から池袋東武での催事が始まったので、
よし頑張るかと朝から颯爽と自転車で出発したんですが、
駅まで走っている途中、突然がたがたがたがた!と音がして。
何事かと見やると何と自転車のチェーンが外れておるのですね。
「頑張らせません!」みたいな意地悪なタイミングで。
見事なくらいにチェーンが外れておるのです。
これから年明けまで続く催しの初日だというのに
何という出鼻の挫かれようであろうか、
まるで「邪魔してやるぜへっへっへ」という
悪魔の声が聞こえるようだ、
つーか悪魔がへっへっへと笑うだろうか、
どっちかというとふぇっふぇっふぇっじゃないだろうか、
などと悪魔の笑い声について考察したりしているうちにも
時間は刻一刻と過ぎて行くのです。
朝の出勤時間の慌ただしい時です。
電車に乗り遅れると大変なことになります。
これがもし「北の国から'87 初恋」だったら
純くんが「チェーン外れたのか?」と声を掛けてくれて、
直してくれるくだりなんだけどなー、
ここは北の国からじゃないしなー、
などと項垂れつつふと横を見ると
驚くことに私のすぐ目の前に自転車屋の看板があって。
何とそこは自転車屋さんの目の前だったのですね。
私は自転車屋さんの目の前でチェーンを外すという
妙なミラクルを自然のうちに演じていたのです。
何という偶然でしょうか。
登校時に曲がり角でぶつかった女の子と
「気を付けろよ!」「何よ、あんたこそ謝りなさいよ!」
みたいなやりとりをした後、急いで教室に行くと
先生が「今日は転校生を紹介しますー」と女の子を連れて来て、
よく見ると何と今朝曲がり角でぶつかった女の子で、
「あー今朝のむかつく女だ!」「あー今朝の無礼な男!」
的な会話を経て二人の青春まるかじりラブストーリーが始まる。
くらいの偶然と言っても過言ではないくらいの偶然です。
しかもちょうど開店準備のためにおじさんが出て来たところで、
これまた偶然が重なったのですね。
普通は開いてない時間帯なんですがお店の方が出て来たのです。
私は即座に「直しておいてください!」と彼に我が自転車を託し、
それと同時に脱兎の如く我が脚で駅まで疾走し、
何とか無事電車に乗り込めたのでした。
いやーあそこで自転車屋さんがなければピンチでした。
まあなければないで取りあえず放置すれば良かったんですけどね。
盗んだバイクでどうにかする愚か者が跋扈していますからね。
やすやすと放置するわけにもいきません。
しかし急いでる時に自転車が無力になると途方に暮れるものですね。


北の国から」では純くんが通りすがりに自転車を直してあげて
れいちゃんとのラブストーリーが始まるわけですが、
私もあのタイミングで純くんにチェーンを直してもらったら
即座に純くんに恋してしまっただろうことは想像に難くなく、
そう思うと「自転車のチェーンを道すがら直してあげるキャラ」
になるべく私も常に工具を持ち歩こうかと思うに至ったのですが、
いかんせん私はチェーンの直し方はおろか、
チリンチリンの蓋の行方もわからない男なのであり、
「サイクル曜日」って曲を作れるだけでは駄目なのか、
それを演奏するので勘弁してもらえないだろうかと
懇願したい衝動に駆られたのですが、
毎日工具持ち歩いてて何かキモいー、とか言われても困るので
取りあえず万が一に備え自転車屋さんの位置を把握しておこうと
何だか需要のなさそうな情報を得る決意をするに至ったのでした。
チリンチリンと。
寂し気に。


ところで年末というわけで、映像で振り返るfwjということで。
新宿タワーレコードでのインストアの模様をどうぞ。