私、M-1を総括し

漫才日本一を決めるM-1グランプリですが、
敗者復活からいきなりサンドウィッチマン優勝という結末を
一体誰が予想し得たんでしょうか。
かようなドリームってあるのだなと感心してしまった次第です。
「吉本贔屓」「出来レース」などと批判は絶えませんが、
この大会に関しては結末は常に正しいという印象ですよ。
今回も文句なく優勝者は面白かったですし。


笑い飯はマリリンモンローネタと同じ手法の
ボケを交互に構築していくネタ展開でしたが、
ちょっと中途半端でわかりにくかったかもしれないですね。
「やりましょう!」のくだりは面白かったですけどね。
POISON GIRL BAND鳥取島根ネタは見るの2回目でしたが
前に見た時の方が幾分か面白かった印象です。
緊張してたのか間が良くなかったかもしれません。
もリフティングの目線がずれるくだりなど、
ネタの作り方や発想は相変わらず素晴らしいし、
今回出場した中では私はこのコンビが一番好きなんですけどね。
松ちゃんの90点もネタへの評価としては妥当かなと思いました。


ザブングルは顔芸+お互いがキレてドツキ合いという
コントでも多用している定番の展開でしたけど、
ネタ自体もっと面白かったら点数上がったかもしれないですね。
今田の「『えみちゃんねる』には呼ばれるで」が一番笑えました。
千鳥は囁き漫才の繰り返しに最後「3つがつながる」というフリから
実はやっぱりつながらないというスカシで大オチ、
という凝ったネタ展開でしたが、凝り過ぎが敗因でしょうかね。
囁きのくだりは結構面白かったですけどね。


トータルテンボスは密度の濃い小ネタ大ネタ満載の内容で、
稽古の量が伺える完成度の高い漫才で非常に面白かったですね。
終戦でやった2本目のネタもかなり面白かったですけど、
後半が複雑過ぎてわかりにくかったのが敗因でしょうか。
1本目のネタのクオリティだったら間違いなく優勝だったでしょう。
「施工主のバカ!」は歴史に残る名フレーズだと思いました。
キングコングも稽古量の伺える非常に完成度の高い漫才で
動きもテンポも良かったですけど、いかんせんネタ自体が凡庸で、
ビデオで2回目見ると全然面白くないのがわかってしまうのですよね。
西野の台本の浅さが優勝を逃した要因でしょうか。
漫才は巧いのだから有能な作家に書いてもらえば良いと思うのですが。


ハリセンボンは思ってたよりもちゃんと漫才になってて面白く、
言葉ネタや春菜の容姿いじりやブチ切れツッコミや妄想ネタなど
持ち味は全部活かされてたし、見てて感心しましたね。
天狗のくだりは特に秀逸だなと思いました。
ダイアンも淡々としたボケに浜ちゃん風のツッコミという
独特の持ち味が活かされてて、結構面白かったので惜しかったですね。
サイドカーで余力で来た」などのボケのセンスも良かったし。
これでもっと爆発するようなネタがあれば来年いけるかと思います。


サンドウィッチマンは今回は奇跡的に良かった印象ですね。
ぴんから兄弟」「焼きたてのメロンパン」など
ツッコミが小ボケを繰り出す間も良かったし、
漫才自体も巧かったですしね。
何となく東京ダイナマイトに通ずるような芸風だなと思いました。
東京ダイナマイトもこんな感じに仕上がれば
優勝まで行けるような気もするんですが。


聞くところによるとサンドウィッチマンて私と同い年だそうで、
彼らの今回の無名からの優勝には何だかぐっと来たというか、
勇気付けられた感じですよ。
かようなドリームってあるのだなあと改めて思う次第です。


しかしクリスマスもM-1見てたらいつの間にか終わっていました。
かようなドリームのなさってあるのだなあと思う次第です。
ドリームのなさがあるという言い回しも何ですけどね。