私、ブックオフ初めに

今日、お昼に東武の社員食堂で唐揚げ丼などを黙々と食していると
隣で女子社員2人が「大晦日何して過ごしてた?」的な会話をしておるのですね。
ひとりが「ジャニーズのカウントダウンを見てましたー」と言うと
もうひとりが「えー何それ、あり得なくない?」などと
人の大晦日の過ごし方を聞いておいてその行為の価値を否定していたので、
何その返事、あり得なくない?と私は思い、2人の会話に耳をそばたてたのですが、
その否定をした方の子は「私も彼氏とテレビでちょっと見たけどー、あれ異様だよねー。
写真の貼ってあるうちわとか振っちゃってー。目立たないでしょあんなん振っても。」
などとファンの気高い応援を全否定していたので、
ジャニーズは世界に誇るエンターテイメントと信じて疑わない私は
何じゃこの女子は。世が世ならたたっ斬ってやるものを!
と切れ味鋭い名刀五十嵐に手をかけかけたものの、
こんなつまらぬものを斬っては名が廃ると思い我慢するに至ったのですが、
その後も「うちの彼氏なんかー。ジャニーズの衣装って変じゃない?
あんな変な衣装、金積まれても着ねーよとか言っててー。」
などと狼藉な発言を繰り出し、私は思わず
「お前の不細工な彼氏などいくら金を積んだとてジャニーズには入れぬわ!」
と純然たる世の真理を突きつけてやりたい衝動に駆られたのですが、
もう一方の子が「外部から見たら異様ですけどねー。あれが楽しいんですよー」と
実に大人なフォローで返していたので、
「うーむ、まあこの子に免じて今回は許そう。」と名刀を出すに至らず
私は再び唐揚げ丼の続きに速やかに戻ったのでした。
おかげで今日も平和が保たれたのです。
血を見ることもなく。



そんな帰り、私はふと思い立ってブックオフに立ち寄り、
田名網敬一のグラフィック本2冊が大変な安価で売られているのを見付け、
「おお。掘り出し物!」小さく叫び、マッハのスピードでこれを購入せむと掴み、
さらには「70年代特撮ヒーロー全集」「レイアウト事典」など
関係ないブツまで掴んでレジに持っていき、いざ勇んで清算した後にふと冷静になり、
「すげー重たいし!」
と、厚い本をまとめ買いしたことを後悔するに至ったのですが、
08年も私は清水國明ばりにブックオフのヘビーユーザーとして生きて行くのだなと
変わらぬその姿勢を自らに知らしめてしまったのでした。
そういえばこれが今年初のブックオフということで。
ブックオフ初めとでも言うのでしょうか。
しかしブックオフは変わらず清水國明をイメージキャラとして起用し続けているのであり、
そもそも何で彼なん?という疑問も自ずと沸き起こるというものですが、
まあいいか別に。という結論に着地するのが容易いので追求に至らないというか、
追求したところで清水國明だもんなという諦めに似た感情も用意されてるわけで、
私は「ヘビーユーザーの清水國明です」という台詞をこれからも聞いていくのだなと、
改めて認識したのです。
まあ何でこの人なの?というイメージキャラは無数にいますからね。
世界は意外とそういうもので満ちているような気がします。


帰りの電車の中では「70年代特撮ヒーロー全集」を熟読し、
イナズマンのコスチュームデザイン、ヤバいなあ」などと
イナズマンのページを熱心に見ていたら
私の目の前に立っていたギャルが「何この人、キモいしー。」
みたいな怪訝な感じで私とイナズマンのページを見ているのであり、
私はうわしまった、ギャルにキモいと思われてしまった、と動揺しつつ
ふとそのギャルの顔を見ると「クレヨンで塗りました!」
みたいな酷い分厚いメイクをしているのであり、
彼女の顔自身がまるでイナズマンのような様相を呈していたので、
「何だ、ここにもイナズマンがいたのか」などと私は思い、
そのイナズマンギャルを前にして再びイナズマンのページに目を落とし、
イナズマンの必殺技ってイナズマン唐竹割りなのかあ」などと
披露するあてのない無駄な知識を得ながら電車に揺られて帰ったのでした。
ひとりで。
夜に塗れて。


ちなみにイナズマンを知らぬキッズのために画像を貼っておきます。
これがイナズマンなんだぜ、若人よ。