銀杏ファブリック

TEENAGER

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フジファブリックというバンドの魅力は叙情的な曲もあれば
変態度の高いプログレ曲もあるといったバラエティ豊富な楽曲に、
キャラの立ったメンバーの高い演奏力やアレンジ手法
(アンジェラアキ似の鍵盤の人の音色やプレイが最高です)
などが高度に機能している点が挙げられるでしょうが、
叙情的な曲の中でも浸り過ぎずどこか達観したような目線があるし、
変態度の高い曲にもどこか可愛げやポップさが存在するという
絶妙なバランス感覚とそれを飄々とやってのけている不敵な佇まいが
私には心地良く感じられて良いのです。
「Strawberry Shortcakes」という曲の歌詞に於ける、
皇居前のランナーから上空のレストランへ、
目の前のイチゴから彼女の睫毛のカールへと
俯瞰から接写まで目紛しく移動するカメラワーク表現が
実に見事というか大変良い曲ですこれ。



あいどんわなだい

あいどんわなだい

2007年後半、とにかくよく聞いた曲がこれなんですが
「初期ビートルズの楽曲の持つ高揚感」みたいなものを
実感としてよくわかってる人が作ってるという印象で、
普通に楽曲としてとても良いのですよね。
「先週からバンド始めました」みたいな初期衝動を
ここまで維持出来ているのは凄いし、
しかもそんな荒い稚拙とも言える演奏なのによく聞くと
アレンジはすごく繊細に丁寧に成されているのですよね。
ボーカルマイク近すぎないか?と思えるような
凶暴な録音とミックスも意図的だと思うんですが凄いです。
童貞男子のみっともなさやわけのわからぬパワーが
ポップさや可愛げに昇華されてるバンドの佇まいも魅力ですが、
最終的にはこれだけ良い楽曲を書いている峯田氏の作家性が
時代に残るんじゃないかと思ったりします。
彼らが「ニュース23」に出演した際の映像も凄かったですが、
ブルーハーツが初めて「夜のヒットスタジオ」に出た時のような
そんな衝撃を若い子は受けたんじゃないかと思ったりしました。
私はこの曲の「ラブラブシール貼らないでくれよ」という
キュートな一節が好きなんですが、
そんなシールあるんかいと思って調べてみたら
本当にそういう名称のシールがあったので驚いたんですけどね。
本人が書いてるのは多分そのシールのことじゃないと思うんですが。
ラブラブなシールという意味合いで書いてると思うんですけどね。
(だからそんなシールあるんかいって話ですが)


しかしバンド幻想に半ば挫折してソロに転向した自分としては
こういう魅力的なバンド見ると自然と憧憬の念を抱いてしまうのですよね。
眩しく思えてなりません。
良いですねバンドって。


あとMUTE BEAT再結成ライブはぜひとも見に行きたい所存です。
ひょっとしてあの曲もこの曲もやるのかしら。
チケを取るガッツが欲しいです。
どこかに落ちてないかしらそのガッツ。