小林賢太郎タモリPerfume

SymmetryS

SymmetryS

小林賢太郎+ファンタスティックプラスチックマシーン(長っ)の
ユニットなんですが、スネークマンショー的なあれかと思ったら
もっと現代音楽寄りというかアートに近い作品でしたね。
ジャスト3分をカウントしながらネタを挟み込む手法とか
ジョン・ケージのお笑い版といった風情だし、
サンプラー作文」における言葉の解体と再構築は
彼がソロライブでやってたアナグラムネタの音楽版て感じだし、
お笑いを「耳で聞く」というフォーマットに置き換える
そのアイデアと手法には舌を巻くのですが、
ちょっと手法そのものに寄りすぎてるきらいもありますね。
お笑いの人がこういう試みをするのは恐らく初めてでしょうが
楽家がこういう試みをするのは過去にいくらでも例があるし、
若干判断が難しいような気もします。
プリングルスを齧る音とウッドベースという組み合わせの曲も
あえて今さら提示されてもどうなんだって感じですし。
FPMのカラフルなサンプリングセンスがあまり活かされてないのも
勿体ないような印象です。
むしろ小林氏が全く意味のないラップを繰り広げる
「No Message Rap」とか聞いてて爆笑したし、
(しかし彼は普通にラップが巧いですね)
純粋な音コントの「Koniwa」とか「ミニマムテレフォン」とか、
全編彼のコントで構成されてるのを聞きたかったような感じです。
ラップのネタもヒップホップの人にトラック作って貰えば良いのだし、
他のネタも適材適所で違う音楽家たちとコラボすれば良いのだし、
FPMとあえてがっつり組む必然性もあんまり感じませんでしたけどね。
ヘッドフォンで聞くのを前提にした音そのものによる笑いの手法は
「音響お笑い」とでも言うのでしょうか。
例えばコーネリアスと組むとどういうネタになるのか
聞いてみたいなとか思ったりしました。
楽家にファンの多い彼ならそういうミュージシャンとのコラボとか
凄いの作れそうな気がするんですけどね。
ついこの間再発されたタモさんのアルバムとかもそうですが、
インテリかつ音楽に造詣の深いお笑いの人がレコードを作るには
知性と馬鹿っぽさのバランスって
意外に大事なんじゃないかと思ったりします。
(タモさんのアルバムはそういう意味で成功していると思います)
もっと気楽に笑えるアプローチでも良かったように思いましたね。
まあ今回はアート性を全面に出すコンセプトだったのでしょうが。
以前出たラーメンズの「日本語学校」のアルバムは
耳オンリーで楽しむのを前提に作ったネタではないので、
今度はがっつりと耳で笑えるラーメンズ
新ネタアルバムでも聞いてみたいものです。


FAN SERVICE~BITTER~ Normal Edition [DVD]

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こちらはPerfumeのライブDVDの再発盤なんですが。
年末に見に行ったZeppのライブは遠くから目撃したという感じなので
近距離で彼女らのダンスを見られるのは嬉しいのですが、
11台のカメラの切り替わりが激しすぎるので
曲によっては目が疲れるのですよねこれ。
独特な振り付けと3人の息の合った全体の雰囲気を楽しみたいのに
アイドルもののカメラワークの基本なのか妙にアップが多いですし。
編集がいかに大変だったか忍ばれるのですが、
まあでもファンとしては楽しめる作品です。

あとブックレットの最後の方に載ってた、
ステージ用衣装じゃなくて普通の冬服を着ているアー写
3人の雰囲気とかキャラが全面に出てて大変に可愛いです。
CDショップにでっかく貼ってあったのを見て
あまりの可愛さに二度見したくらいなのですが
お見せ出来ないのが残念です。
あの可愛さはぜひ女子に見てもらいたいですね。