ホッキョクグマ、嘆きの壁と卵

4月かと思われるほどの暖かな陽気に今が2月中旬であることをすっかり忘れ、
このままだと3月には全国の中華料理屋が冷やし中華を始めるのではないか、
4月にはチューブが新曲を出して夏の全国ツアーを始めるのではないかと心配になり、
温暖化により北極の氷が溶けて餌にありつけないでいるホッキョクグマの哀しみに満ちた瞳に
そんな目をするなよ、胸が痛むじゃないか!と叫びそうな自分がいたのですが、
急にまた冬の寒さに戻りました。
暖かいの寒いのどっちなの、セクシーなのキュートなのどっちが好きなのと、
胸ぐらを掴み問いつめたい衝動にも駆られたのですが、春を先取りしちゃったのでしょうか。
無理してはしゃぐなよ、らしくないぜ、と2月に助言してあげたいところです。
助言してあげたところでなんでこんな寒いんだよ!と結局文句は言うので勝手なものですが。


ところで村上春樹エルサレム賞受賞のニュースで久々にメディアで氏の姿を見ましたが、
パレスチナ自治区ガザ攻撃への批判として受賞拒否し日本に留まるより
あえて現地へ赴いて世界へ向けてメッセージを発する姿勢を私は支持したいですね。
彼の講演要旨はこちらです。
ここで言う「壁」と「卵」の例えは実に彼らしい表現で、
彼の読者ならすぐに「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」の「壁」を連想し、
それはそのままパレスチナを取り囲む壁、ユダヤ人の苦悩の「嘆きの壁」であり、
壁は高く勝利が絶望的に見えるが我々は制度に利用されてはならない、
我々が制度の主人なのだ、という力強い宣言は彼の作品の世界観、文体をなぞらえて響き、
まさしく作家としての、世界のムラカミとしての言語として機能したように思います。
彼は常に卵の側に立って来たしこれからもそうであるのでしょう。
英語でどういう言い回ししていたのか原文見てないのでわからないですが、
そのうちどっかにアップされたら読んでみたいですね。
まあ辞書ないと全然読めないですけどね。
あと意外というと大変失礼ですが村上氏は声がセクシーです。
ラジオ番組とかやれば良いんじゃないでしょうかね。
ジェットストリーム的なあれで。
もしくは「村上春樹オールナイトニッポン」とかご陽気な感じでも良いですけどね。
「今週のねじまき鳥のコーナー〜!」とか言っちゃって。
どんなコーナーなんだよって話ですが。
そうなるとファンが減るんだか増えるんだかわかりませんね。