高層ビル構想

ここ数日仕事で京王プラザホテルのロビーギャラリーで実演をしているのですが、
あの辺一帯の高層ビル街を歩くと今って21世紀なんだなあと思わされますね。
のっぽのビルがそこらにそびえ立っていて、日本で一番未来ぽい景観ですもんね。
京王プラザホテルの9階の社員食堂って窓から隣の都庁の全貌がデーン!と見渡せて、
毎日お昼を食べながらゆっくりと都庁ウォッチ出来るベストポジションなんですが、
生憎私は「都庁萌え〜」となるような高層ビルマニアではないので、
建築として美しいのはわかるが少々味気ないよなあと思いつつカレーなど喰らっています。
これが夜だったら闇に光るライトが綺麗でロマンチックなんでしょうけどね。
まあ外観ロマンチックに見えたとて中ではお役所仕事してるだけですけどね。
都庁を眺めていると怪獣がそれを破壊する様や二機の飛行機がそれに突っ込むという
何だか実に不謹慎な想像が働いてしまうのですが、
都庁を含めあの界隈の高層ビル群は怪獣にとってはなぎ倒し甲斐あるでしょうね。
2本の腕で掴んでねん、と言わんばかりの構造ですしね、都庁。
私が怪獣ならウルトラマンの方たちとあそこら辺で絡みたいところです。


所謂高層ビルマニアは西新宿方面に繰り出しては下から見上げ、上から見下ろし、
並列に見てはその構築美と物理的な高さにうっとりと悦に入り、
豊富な語彙によってその魅力を語る生き物だと聞いていますが、
(つーか半田健人くらいしかその存在を知りませんが)
確かにあの圧倒的な高さには何かしら感じるものはありますね。
建築としての魅力も勿論あるんでしょうけどね。
アトムやウルトラマンで見た未来感を感じるからでしょうか。


高層ビルを前にすると視点が高みに動くと同時にその高みから見える景色も想像され、
自分の立っている場所を俯瞰で見るような感覚も同時に味わえる気がするのですが、
高みからの景観をそんなに見たことがない人はそこまで想像が働かないかもしれません。
しかしいざビルの最上階から下界を見下ろした時には地上までの距離を瞬時に把握し、
己が落下する事態とそのスピードをつい生々しく想像してしまうもので、
その手の想像は子供でも大人でも誰しもが行なってしまうのが不思議ですよね。
あれって一種の防衛本能なんでしょうかね。
それが敏感に働く人が高所恐怖症であると思うんですが。
高所から下界を見下ろした時の身の竦むような感覚は言語よりも速い伝達力ですよね。
バンジージャンプやスカイダイビング、絶叫マシーンなど、
その感覚を商品にしてしまう人間てある意味タフというか、
どこにでも嗜好を見出し商売に出来る可能性があるんだなあと感心してしまいますね。
高層ビル自体を愛でる感覚も嗜好の細分化って果てがないんだなあと思わされます。
まあ実際美しいフォルムだと感心させられますしね、高層ビル。


高層ビルに囲まれると世界の上下の目線に対して何だか妙に自覚的になるもので、
自分と空の間に置かれた物差しみたいなもののように思えてきますね。
物差しばっかり立ってる変な街です、新宿。