空気感という文体、小林賢太郎
小林賢太郎プロデュース公演 「good day house」 [DVD]
- 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
- 発売日: 2005/04/20
- メディア: DVD
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小林賢太郎プロデュースの舞台のDVDです。
ラーメンズに飽き足らず小林賢太郎ものもコンプリートしようかと思って買ったんですが、
何かこれは1回見たらもう満足な感じしちゃいましたね。
脚本がよく出来ていて面白いのはよくわかるんですが、
いかんせん演者が芸人ではないのでボケの演技が見ててぎこちない印象を受けるというか、
ここって面白いところなんだろうなーと醒めた目線で見てしまうのですよね。
思わず笑ってしまったところってやはりラーメンズの2人の演技だけなんですよね。
意味よりも速く笑わせる伝達力って脚本に加え演技と間によるものなのだなと強く思わされますね。
ラーメンズってやっぱり演劇じゃなくてお笑いの人なんだなと痛感させられますよ。
これって厳密なお笑いというよりはコメディのお芝居なのでそういう見方は違うんでしょうけどね。
前に出たラーメンズを含めた5人による集団コント「GOLDEN BALLS LIVE」は
こっちよりはお笑いモードだったので面白かったし笑えましたけど、
何かちょっとノリがシティーボーイズみたいで、違和感があったんですよね見ていて。
「お母さんかよ!」というネタはかなり爆笑しましたけどね。
やっぱり何だかんだ言ってラーメンズ単独の公演が一番面白いという結論に至りましたね。
ラーメンズのコントって何回も鑑賞するに堪え得る強度みたいなのがあって、
それって小説のようなエッセイのような散文のような何度も読みたくなる文体に似ていて、
それはつまり2人の演技と間と空気感から生まれるものであって、
脚本とか内容が面白い以上にそれが重要なものとして機能している気がするのですよね。
他の人が同じ脚本を演じてもそれ以上に面白くならないと思うのですよ。
ラーメンズのコントが何度見ても面白いのはそういうヴァイブによるところも大きい気がします。
2人が一緒にいるだけで面白いというのはお笑いコンビとしては最高の状態ですよね。
バンドとかアイドルグループとかでもメンバー全員が揃って立っているだけで魅力的ですもんね。
しかし適当に落書きしたような文字が最後に文章になるというオチはある種のマジックのようで、
脚本の見事さは賞賛に値しますね。
台詞も推敲の後が伺える感じですしね。
言葉の連なりの面白さを片桐仁がきちんと理解して喋ってるのがわかって安心出来るのですよね。
今年はラーメンズの初期の舞台もDVDで続々と発売になるそうなので楽しみです。
生の舞台は相変わらずチケを取るガッツがないので見られませんけどね。
しかしラーメンズ単独のが面白いと書いておきながら何ですが、
「小林賢太郎となだぎ武」とか異色の共演も見てみたい気がしますね。
演技派で根っからのコメディアン体質ということで2人は共通のものがあるような気がします。
あと「小林賢太郎と板尾創路」とか。
梶原一騎とちばてつやみたいな化学反応が生まれるかもしれません。
逆にすっごいコケそうな気もしますけどね(笑)。