テルミン、荻窪、高円寺

昨日は高円寺円盤でのテルミンのイベントに参加をしてきました。
急遽の参加だったんですけどね。
なかなか楽しいイベントになりました。


高円寺といえば友達のKくんが荻窪に住んでたっけと彼に電話すると家にいたので
先に荻窪に寄って彼の家の近所にある6次元という喫茶店でお茶などしました。
ここは古本なども置いてある雰囲気のあるお店でコーヒーも美味しかったですね。
彼は常連だそうで頻繁に寄っているのだそうです。
店内の展示スペースみたいなところにたくさんの書が飾られていて、
それを見ながらKくんとコーヒーを飲んでいると
店員さんがおもむろに「これから先生が書を書きます!」と言い出して。
見ると先生とおぼしきおばちゃんがそこで筆を使って和紙に字を書き出したのですね。
客にリクエストを募り「生」とか「道」とかの字をその場で書いていくのです。
正直巧いのかどうか素人の私にはよくわかりませんでしたが、
凄い勢いでざざざ!という感じで書いていく様が達人オーラ全開バリバリだったので
「達人なんじゃないか」と素直に推測した私です。
Kくんが「荻窪の『窪』を書いて下さい」とリクエストすると
おばちゃんは「難しい!」とマッハのスピードで却下したので、
「じゃあ『猫』という字で」と言うとおばちゃんはざざざ!と「猫」の字を書いて。
「ほいっ!」とKくんの手元に「猫」を渡しました。
ちょっと性格荒そうな猫になってましたけどね。
あとで聞いたらその書の先生、深津絵里さんのお母さんなんだそうで。
深津絵里のお母さんが書の達人とは思いませんでしたが。
もし仮に深津絵里さんを嫁に貰うとなった場合、
あのお母さんに「娘さんを僕に下さい」と告げねばならないわけで、
その場合「難しい!」とマッハのスピードで却下され、
でかい筆で顔にばってんを書かれてしまうのではないかと思い、
ああ、深津絵里さんに求婚する立場じゃなくて良かったと思ったのですが
深津絵里さんを嫁に貰う可能性などゼロに等しいのではと後で冷静になって思い、
私はほっとしたような残念なような気持ちになったのでした。


で、そのあとKくんと荻窪駅前の立ち飲み屋で焼き鳥を食べつつビールなど飲んで。
隣で飲んでたおばちゃんが「昼間っから飲めて私は幸せ!」と
我々にハッピー報告をして来たので「良かったですねー」と応えてあげました。
大勢の客が昼間からすっかり出来上がっていてちょっと異様な光景でしたが、
中央線ぽいなあと思ったりしました。


で、その後ほろ酔いで高円寺へ移動しクリテツさんと軽くリハを行ないました。
円盤の店番の方が「水中、それは苦しい」というバンドのジョニー大蔵大臣氏でした。
「水中〜」のライブを過去に2度ほど見て衝撃を受けたことのある私ですが
こうして高円寺で再会するとは思いませんでした。
ジョンとジョニーの再会。
だからどうしたと言われれば言葉に窮する類いの報告ですが。

本番ではクリテツさんが用意したテルミンの映像をスクリーンに流して
それを見ながら私やジョニー氏やお客さんがツッコミというか
細かい感想を述べ合うという何だか普通のビデオ鑑賞会みたいな様相で。
マトリョミン8、9台の合奏とか家の居間でのテルミンライブ映像とか面白かったですね。
テルミンでジャズのベースラインを再現する人の演奏とか圧巻でした。
テルミンでそんなこと出来るの?という感じで。


で、クリテツさんのテルミンとルーパーを使っての私のギターとの即興を
軽く3曲ほど演奏もしつつ。
ギターとテルミンの響きが気持ち良かったですね。
ルーパーに慣れていない自分に軽くへこみましたけどね(笑)。
あともっと打楽器持って行けば良かったなとか思いつつ。
後で録音したの聞いたら「ブライアン・イーノが好きな人たちの演奏」という感じでしたね。
自分のイーノ好きが露呈されたなという感じで。
クリテツさんのテルミンが妙にプログレ風味満載でした。
クリテツさんには終演後に「キング・クリムゾン『レッド』のリフは?」とか
「『ハイウェイスター』のギターソロは?」とか
無理難題を言ってテルミンで弾いて貰ったりしました。
いやーテルミン面白いです。
取りあえずマトリョミンでも買ってみようかと小さく決意した次第です。
まあ別に大きく決意しても良いのですけど。


終演後はクリテツさんとKくんと近くの中華屋で軽く飲んで帰りました。
頼んだ麻婆豆腐が辛いというか何だかしょっぱかったので
これは人生のしょっぱさに似ているなどと哲学的なことを思ったのですが、
そのしょっぱさをビールでごくごくと飲み込んでしまったので
あとには酔いだけが残りました。
「昼間っから飲めて幸せ」と言っていたおばちゃんもそうだったのでしょうか。
そんなことを思いながらギターを抱えて帰りました。
我々の即興演奏を残して。
Kくんと「猫」の字に別れを告げて。