黄金町メモリー

上大岡への小旅行週間も何とか終わりました。
訪ねて来ていただいた方々、本当にどうもありがとうございました。
通うだけでひと仕事という感じでしたが新鮮で楽しかったです。


最終日の昨日は大谷能生氏が訪ねて来てくれて(まあ私が呼んだんですが)、
奥さんと一緒に招き猫を注文していってくれました。
大谷氏は京急沿いに住んでいて上大岡に近いので声をかけてみたのです。
こういう機会でもないと訪ねていけない微妙な遠距離なもので。
私が撤収作業してる間「近くの飲み屋にいる」とのことだったので、
作業が終わって彼に電話したら妙に味のある立ち飲み屋で飲んでて。
そこで私も2、3杯軽く引っ掛けたんですが酒もつまみも安いのですよねここ。
おっさん達に囲まれてメンチとか冷やしトマトとかで我々ぐびぐび飲んで。
朗読の可能性について語ったりしました。
(また上大岡来る機会あればここで飲んでみようかと軽く決意した私です。)
で、続きは大谷家で飲みましょうとなり電車で移動して。
京急は駅を通過する時のスピードが尋常じゃないなどと
地元人の京急エピソードを聞きつつ黄金町という駅に降りたんですけどね。
予想してたような怪しい雰囲気も残りつつも線路沿いのところ全部改築されかかってて。
かつてはいかがわしい店が並んで女性が客引きしてたそうなんですが。
そういう店はみんななくなっちゃったそうですね。
これから駅前の雰囲気も新たに健康的に変わりつつあるのかしらと
初めて下り立ったくせに黄金町の未来に想いを馳せたりしました。
で、折角なので大谷さんに街を案内してもらったんですが、
風俗の店が立ち並んでたりドヤ街が近いせいかあやしいおっさんがうろうろしてたりで
結局全然健康的ではないことが判明したんですが(笑)、
その猥雑な感じが昭和ぽくて妙に懐かしくもあり面白かったですね。
黄金町といえば濱マイクシリーズじゃんということで
探偵事務所があったロケ地にも連れて行ってもらったんですが、
小綺麗なマンションが建っちゃってました(笑)。
そこを健康的にしちゃってどうするのと思いましたけどね。
近くの商店街とか歩きつつ、昔神戸のドヤ街に紛れ込んだ時のことを思い出したりしました。
すっかり旅気分になっちゃいましたね。


で、そこから大谷家まで行くのに大谷さんが「自転車二人乗りで行こう」と言い出して。
大谷さんの運転で私はちょこんと彼の後ろに鎮座するに至ったのですが、
久々の自転車二人乗りという状況に何だかちょっと胸キュンしてしまいました。
青春じゃんこれ、という感じで。
キッズリターン的なあれで。
相手が女子ならときめいてプチ恋にでも落ちてるところです。
まあ相手はおっさんなので恋には落ちませんでしたが。
「ふひょうー!」などと叫びながら黄金町を疾走する二人。
30過ぎたおっさん同士なので全然青春ではないんですが気分だけは青春でした。
途中でお巡りさんに遭遇し慌てて降りるという情けない感じで終結した青春ですけどね。
そんなこんな青春プレイバックを経て大谷家で飲み直しました。


大谷家には「笛」と「雫」という猫がいるんですが(実に詩的で素敵な名前ですね)、
さらに子猫の「小麦」という子も増えたそうで。
3匹もいるとさすがに賑やかですね。
また子猫の小麦が実にやんちゃで。
どたばた駆けずり回ったり、テーブルの上の料理をひょいと口にくわえて遊んでみたり、
他の2匹とにゃんにゃんじゃれあってみたりで。
達観したような大人の猫の佇まいも良いですが、
子猫の幼さも単純に可愛いなあ!と見てて目尻が下がっちゃいました。
一生懸命遊んでくれるし。
他の2匹が「あの子ったら飽きずに遊んで」みたいな目線なのが面白かったですね。
大谷さんの新しい芝居用の音源とかこの間のsimと相対性理論のライブ音源とか
(大谷さんの歌う「テレ東」が味わいがあって良かったですね。)
大谷さんがかつてドラムを担当していたというギターバンドの音源とか、
貴重なのいっぱい聞かせてもらいました。
小麦とじゃれつつ(笑)。
大谷さんの作ってくれたピリ辛の茄子の炒め物が美味でした。
すっかりご馳走になってしまって宅を辞しました。


お土産に彼の新しい著書をいただいたので電車の中で読もうと思いつつも
ストンという感じでまっすぐ眠りに落ちてしまいました。
3匹の子たちもあの後眠りについたのでしょうか。
そんなことを思いつつ秋の匂いのする夜の中を帰りました。
爆睡で京急に乗って。
またひとつ京急に思い出が出来ちゃいました。
彼の本と共に。

まだ読んでないけど面白いに決まってるのでしょう。