夜の科学、インディアンサマー

山田稔明ライブ「夜の科学vol.25」終了しました。
たくさんの方にご来場いただきましてありがとうございます。
セットはそのうち彼のブログにアップされることでしょう。
私は7曲ほど参加させていただきました。
山田氏は「今日は2時間で収めようと思ってるんだよねー」と言っていましたが、
全然収まっていなかったですね案の定。
どんだけ歌うのあなたという感じで。
毎回このボリュームで聞けたらお客さんも満足でしょう。


恵比寿天窓SWITCHはスタッフのみなさんが温かくてリハからやりやすかったですね。
ワンマンだとゆっくりリハ出来るのが良いのですよね。
リハ時からステージ上にデヴィッド・アップダイクの「カプチーノを二つ」が置いてあったので
(ジャンケンして勝ったお客さんとビールと交換する趣向だそうで)
「YOU、これ本番で朗読しちゃいなよ」と提案してみたんですけどね。
実際本番で朗読してくれて、おお山田氏の朗読良いじゃんと楽屋で聞きながら
「良い提案した俺!」とほくそ笑んでたんですが。
本人曰く「微妙な空気になった」とのことで(笑)。
お客さんはぜひ今後彼の朗読にもグッドなリアクションをしてあげて下さい。
本番前彼が「今日は普段やらないことをしてみた!」と自慢げに「an・an」を差し出し、
「アンアンを買う俺の珍しさ」をアピールして来たのですが、
その前に彼のカバンからさり気なくアンアンが見えていたので
「へえ、山田氏アンアン読むんだ、意外ね」と
心の中でひとしきりリアクションしてしまった後だったので
「へー」という微妙な返ししか出来なかったんですが(笑)、
おかげで本番前の待ち時間にアンアンを熟読出来ました。
まあ別に熟読しなくても良かったんですが。
アンアンは「美乳美尻特集」でしたが「尻」って「しり」以外に読み方あるのかしら、
「びしり」で良いのかしらと尻の発音問題について語ったりして本番まで過しました。
本番前に何語ってるんだって話ですが。
村上春樹のエッセイとか載ってて面白かったですねアンアン。


で、本番始まりまして。
会場が一瞬で彼の歌世界で満ちて行く様は流石だなと思いましたね。
「アップダイク追記」とかのゴメスの初期の曲とかやってて
懐かしいなーとかしみじみしたりしてしまいました。
で、しみじみしてるうちに私の出番になって。
私は今回ガットギターで参加したんですけどね。
折角買ったので見せびらかしたいわという気持ちでリハに持って行ったら
「本番全部それで良いんじゃない」と全部の曲ガットギターでやることになりまして。
ナイロン弦の柔らかい感じがいつもと違って良かったんじゃないでしょうか。
お客さんが大人しいので最初あったまってないなあと心の中で焦ってたんですが(笑)、
徐々に笑いも起きて良い雰囲気になっていきましたね。
今度出る男性シンガーのコンピアルバムに彼の曲も収録されるそうなんですが、
それが「森ガール必携の草食系男子コンピ」みたいなコピーだったので(笑)、
お客さんは森ガールなのか、我々は草食系なのかと話題に上りました。
キーワードが生まれるとそこにマーケットが出来るのですね。
「磯ガール」とか森以外のガールはいないのかしらと疑問を投げかけてみたんですけどね。
「磯ガールって髪の毛ベターッとしてる感じ?」という山田氏の返しが面白かったですね。
髪の毛ワカメってことですかね、それは。
そのコンピ、HARCOくんが監修してるとのことで内容は良いので
森ガールやその他のガール、草食系ボーイたちも必携すると良いんじゃないでしょうか。
http://natalie.mu/news/show/id/22504
今回は「fwjの曲もやろうよ」となり、何をやるか相談したところ「虹」で良いんじゃないとなり。
厳密に言うとそれ俺の曲じゃないけどという思いもありつつ(笑)、
2人で歌えるということで電気グルーヴの「虹」を演奏しました。
山田氏の歌う「虹」がまた良いのですよね。
2人一緒に歌うところは彼が五島良子パートを歌って。
最後2人で一緒に歌うフレーズが
「ふりかえることもたまにある 照れながら思い出す」というのですが、
歌いながら妙にしみじみしてしまいました。
で、私の出番は終わってその後も彼の歌唱が続いて。
楽屋には私1人だったので誰と話すこともなく。
アンアンのほしのあきの美乳見ながら彼の歌声にしみじみしたりしました。
美乳見ながらしみじみするなよという話ですが。
で、本編終わってアンコールに再び私が出て。
先日レコーディングに参加した「harvest moon」という曲をやりました。
この曲ではお客さんの歌声をその場でレコーディングしてそれを音源に使うとのことで。
事前にお客さんに「はい、草食系男子歌って」「森ガール歌って」と分けてレクチャーしたんですが、
結構男性客が多かったのが印象的でしたね。
お客さんみんなが歌う様は感動的でした。
で、私の出番は終了だったんですがその後さらにアンコールやって。
どんだけ歌うのあなたという感じでしたが。
最後にやった「ホウセンカ」という曲がまた切ない曲で。
聞きながら姪っ子のことを思い出したりしてしみじみしてしまいました。
この日どんだけしみじみしてんだ自分という感じでしたが。
「指を赤く染めて」という歌詞が秀逸だなとリハで聞きながらちょっとうるうるきてたんですけどね。
彼には「次のアルバムに入れるべし」と言っておきました。
そんなこんなでライブも無事終了して。
2時間半以上も歌って喋る山田氏も凄いですが、
じっと座って聞いてるお客さんの集中力も凄いなあと改めて感心しましたね。
2デイズ初日に長丁場のステージを展開する彼とお客さんのバイタリティに感心した次第です。
良いライブだったと思います。


帰り駅まで山田氏に送ってもらう途中、加藤和彦氏の死因が自殺であるとニュースで聞いて、
「残念だねえ」という話をしたんですが。
死んじゃったらもう歌えないし、残された我々はその歌声を聞くことも出来ませんしね。
音楽で感動したり感動させたりする立場からし
その機会を自らの手で断ってしまうというのは哀しく残念なことだよなあと思いました。
生前に彼のライブを見ておけば良かったとちょっと思いました。
ライブで歌声を生で聞くというのは本当に貴重な体験なのだよなあと
本番中に山田氏の歌声を聞きながらしみじみ思ったりしたのですよね。
その「ライブの幸福感」みたいなのがお客さんに伝わってくれれば嬉しいなと思ったりしました。
今後も我々は生きてステージで歌って演奏することでしょう。
みなさんにはぜひそれを足を運んで聞きに来ていただきたいものです。
それが「ライブ」なのですよね。