知床旅日記1

知床旅の初日、この日は昼12時頃羽田にfwj一行集合しまして。
女満別まで飛行機で飛び、そこからバス移動という行程で知床へ入りました。
集合場所にわらわらと集まったメンバーみなそれぞれの寒さ対策をして来ているものの
最高気温がマイナスの知床の気候にこれで大丈夫であろうか?と不安がってる中、
ギターの中村くんだけは春先のような爽やかな格好で来ており(笑)。
「寒くないの?」と私が問うと「いや服はいっぱい持って来てますから」とのことで。
まあ実際空港は暖房が効いてるので暑かったんですけどね。
最初から厚着全開バリバリで来ていた私もさすがに汗ばんだりして。
私の場合とにかく重ねて行くもんね作戦で6枚着用だったんですけどね。
みなからは「6枚も着ているようには見えない!」と絶賛(?)されましたけどね。
重ね着にはコツがあるのです。
今回の旅はピアニカのあぐちゃんがコンダクター役で。
メンバーみなあぐちゃんがいないと何をどうして良いのかわからぬという集団で、
「先生、次の予定は何ですかー?」「先生、次のバスは何時ですかー?」
「先生バナナはおやつに入るんですかー?」などと頼りっきりで、
あぐちゃん引率で行く修学旅行的な様相を呈しておりました。
まあ生徒は30過ぎのおっさんたちなんですけどね。
(今回あぐ先生の仕切りっぷりはミラクル連発でしたよ)


個人的に飛行機に乗る段階で心配だったのがあの金属探知のピンポーンてやつでして。
私の場合何をどうやっても1回は機械が鳴ってしまうのですよね。
それが宿命の如く。
今回は鳴らないでプリーズと祈りながら通ったんですが、
宿命なのか案の定ピンポーンと鳴ってしまい、やはりか!とうなだれてやり直したんですが、
アメリカ行った時にそういや靴脱いで通ったぞと思い出し、
雪対策で履いていった私が高校時代に購入したブーツを脱いで臨むと
ようやく鳴らずにスルー出来まして。
ブーツのやつ、金属入ってるなら言ってくれよ!と文句のひとつも言いたくなったのですが、
ブーツはふてぶてしくそこに佇んでおるだけで何も言わないのです。
そんなこんなで私だけ出遅れてしまい
「五十嵐くん乗り遅れるよ!」と呼ばれてダッシュして乗り込むという
波乱の幕開けとなったのでした。
あのピンポーンと私は相性が良くないのでしょう、きっと。


で何とか無事に飛行機も飛び立ちまして。
ご飯など食べつつ談笑してるうち2時間弱で女満別に着きました。
割と早かったですね。
そしてようやく下り立った女満別は勿論雪一色なわけで。
外に出ると猛烈な寒さなわけです。
ただテンション上がっているせいか、寒さも気にはならなかったですけどね。
みなでキャッキャと写真撮ったりしつつ。
それからバスに乗り込んで会場のカフェ・パスに向かいました。
バスからの景色もとにかく雪一色で、前に帯広来た時もこうだったなと思い出したりしました。
こんなに真っ白なのかという感じで。
網走の街を過ぎて大きな湖を望んだ際も真っ白な光景が広がっていて。
水面が凍ってその上に雪が積もってるのですよね。
ぽつぽつと人影も見えましたが、穴を開けて釣りをしているようでしたね。
その後も一面雪の真っ白な世界を見ながらの移動で。
スケッチする時逆に難しいなこんな白だと、と思いつつ乗ってたらどんどん冷え込んで来て。
最初は北海道テンションで気にならなかったんですけどね。
乗り換えで斜里に降りた時などは「うわこんな寒さだったのか!」と
猛烈なる寒さに震えあがった次第です。6枚も着ているというのに!
しかも私が履いて来たブーツが雪の上で滑るということも判明しまして。
勝手に滑らないだろうと思い込んでいた私がいけないんですけどね。
ブーツのやつ、滑るんなら言ってくれよ!と文句のひとつも言いたくなったのですが、
ブーツはふてぶてしくそこに佇んでおるだけで何も言わないのです(笑)。


で、そこからさらに乗り換えてしばらく走ってカフェ近くの停留所で降りたんですが、
そこが灯りもなく寂しい通りで。
その頃にはすっかり日も暮れてさらにしんしんと寒さが増して来て。
こんなところで遭難したら泣いちゃうよ!と思いつつ
機材一式と共にとぼとぼ雪の上を歩いてたら唐突にカフェ・パスに着きまして。
一行、ほっと一息ついた次第なんですが、
カフェ・パスがまたこんなところにこんなお洒落なカフェが!と驚愕の素敵なお店で。
店から望む海の景色も綺麗で最高のロケーションで。
なかなかの衝撃でしたね。
中は暖かくて天国ではなかろうかここはと思いましたもん。
周りにあまりにも何もないですしね。
そこでしばしみな寛ぎつつ取りあえずご飯をいただいて。
それから音のチェックとリハを行ないました。
(不安だったので会場を借りてリハをやらせてもらうことになっていたのですね)
まあ気になる数曲の確認と音チェックくらいで良かったんですが、
この日来てくれたPA屋のおじさんが不思議なキャラで。
自分なりのPA哲学があるのかマイクで「あー、あー、あー」とか言いながら
長時間入念に卓をいじっておるのですね。
我々としては早く練習をしたかったんですが(笑)。
この「あー、あー、あー」はいつまで続くのか永遠に続くのではないかと
みなで知床の雪景色と共に途方に暮れたりしてるうちようやく音チェックに入りまして。
本番は違う人がPAやるので細かい調整はしなくても良かったんですが、
彼なりにこだわりがあるのか入念というか妙な細かいやりとりが行なわれ。
私が歌うと「あなたの声って低い?」とか妙な質問も受けたりして。
まああぐちゃんの声に比べると低いけどもーという感じで(笑)。
そんなこんなでリハを終えたら結構な時間が経過しておりまして。
しかもどんどん冷え込んで来るのですよね。
さすが知床の夜はしばれるぜという感じで。
リハ終了後は明日のカフェ営業の為に機材一式全部バラしたんですが、
PAのおじさんは「ええ?バラすの!?」と聞いていなかったようで。
バラすつもりがなくてあんな入念にセットしてたのかーと合点がいったのですが、
不思議なPAおじさんということで我々の旅の想い出に記憶されました(笑)。
オーナーさんに聞くと名物おじさんのようで。
旅を彩るナイスキャラとの遭遇でした。


それからカフェのオーナーさんに車で送っていただき、
ようやくホテルのあるウトロへ移動しまして。
とても綺麗で立派なホテルだったんですけどね。部屋も和室で良い雰囲気で。
それからすぐに休むのかと思いきや「ちと腹が減ったな」ということで
本日2度目の夕食をホテル目の前のラーメン屋で楽しみました。
まあ腹が減ったというか「飲みたい」という気持ち先行だったんですけどね。
で、再び部屋に移動して寝る前に待望の温泉へ行き。
若い頃は温泉なんてただお湯に浸かるだけで何が楽しいのかと疑問に思っていた私ですが
30過ぎると「ビバ!温泉!」と小躍りするほど温泉好きになっており、今回も小躍りして入りました。
みなも小躍りしてましたけどね。
おっさんたちの小躍りが知床で展開。
露天風呂もあったので折角だから入ろうと試みたんですが、
あまりの寒さに数秒で「ごめん!」と出て来てしまいました。
誰に謝ったのか自分、て感じですが。ごめんて。
(みなは露天を満喫しておりましたよ)
それでようやく一日も終わり、さあ寝るのかと思いきや案の定飲み直す我々なのであり、
酒宴は結局夜中3時過ぎまで続いたのでした。
早く寝れば良いものを(笑)。
修学旅行とは概ね夜更かしするものという認識を改めてした次第です。
長い一日はこうして終わったのでした。
(続く)