知床旅日記3

知床滞在最終日。
この日は昼の時間のバスで空港へ向かう予定で朝は割とのんびりだったんですが、
どうやら外はかなり風が強く吹いて荒れ模様らしく。
この悪天候で飛行機が飛ぶのかしらと漠然とした不安を抱えつつも
まあ何とかなるんじゃねーのと余裕のゆうちゃん然とした態度で
「まだ時間あるからオロンコ岩でも見ようか」と我々、悪天候の中を出かけて行って。
で、いざ外出たら猛烈な吹雪で(笑)。
オロンコ岩まではホテルから歩いて10分程なので大丈夫かと思いきや。
襲いかかる自然の猛威に女子学生の如くきゃーきゃー悲鳴上げながら歩いたんですが、
私は一瞬死を覚悟しましたね、あの白い強風。
長めのトンネルを抜けて行くんですがトンネルの中が凄いんですよ、風。
でまた痛いくらいに寒いし(笑)。
そんな極寒と強風の中、海岸まで出てオロンコ岩を眺めながら写真撮ったりしたんですけどね。
知床の自然を充分過ぎる程満喫出来ましたね。
あとこの寒風吹きすさぶ中なぜか露天風呂があったのには驚きましたね。
一瞬で湯冷めしそうで入る気起きなかったですけどね。
でまた女子学生の如くきゃーきゃー言いながらホテルに戻って。


で、ようやくバスの時間だねと機材一式持って吹雪の中をロータリーまで行きまして。
で、いざ行ってみたら「この悪天候で空港までの直通バスが止まってます」とか言われて(笑)。
何というか不安的中というか余裕のゆうちゃんどころじゃないじゃんようという感じで。
帰れないんじゃないの僕たちーとただぼんやりと不安がる我々を前に
てきぱきとあれこれ情報を集めるコンダクター役のあぐちゃん。
で、得た結論としては「ここにもう1泊留まって明日の始発で帰る」か
「取りあえずバスが動いてる斜里まで行ってみて考える」で。
我々相談してみて「ここにいても何だな」ということで取りあえず斜里まで移動することにしまして。
話し合う我々の会話を聞いていた現地の若者らしき兄ちゃんが唐突に
「ここの朝のバスは学生で混むから斜里まで行っちゃった方が良いよ」
「斜里にもホテルがあるからそこ泊まったら?」
「斜里にはパチンコ屋が4軒もあるし」
などとアドバイスしてくれたというのも多少あり。
ただこの兄ちゃん思い切りタメ口だったんですけどどう見ても10代だったんですよね。
10代にしてこの貫禄は何なのだろうかと思いつつ。
あとでみなで「彼は漁師の息子か何かではないか」と結論を得ましたけどね。
勝手に結論得ている我々もどうかという感じですけどね。
まあ彼のおかげで斜里のパチンコ屋の数を把握することに成功しましたけどね(笑)。
でいざ斜里まで行ったもののそこから網走までの区間が事故でやはり通行止めになっており。
網走まで電車で行ってそこからバスで空港へ行く案も浮上したんですがそれも強風で運休しており。
やはり帰れぬかここでもう1泊かとピンチに立たされた我々ですが、
「取りあえずご飯でも食べよう」と急遽食事タイムに。
余裕のゆうちゃん然とした態度変わらずで。
缶ビールとか飲んだりして端から見ると危機感ゼロの光景でしたけどね(笑)。
で、通行止めの道以外の道で走ってくれるタクシーで行くしかないかと結論を得たのですが、
機材も多いし数台に分かれると代金もかかるしということで。
そこでコンダクターあぐちゃんがてきぱきとあれこれ情報を集めてくれて。
9人乗りのタクシーで空港まで格安で直行してくれる車を押さえてくれて。
飛行機も勿論最終便に変更手続きしてくれて。
我々はあぐちゃんのおかげで無事にその日のうちに帰れることと相成ったのです。
みなで「ビバ!あぐ様!」と手を合わせたい衝動に駆られたことは言うまでもありません。
まあ変な集団に見られても困るのでしませんでしたけどね。
そんなわけでタクシーで空港まで移動して。
相変わらずの雪一色の白い光景を眺めながら
「ああもうこの雪景色ともお別れか」とふと旅の終わり独特の寂しさに襲われ
ついセンチメンタルくんになってしまった私ですが、
長い移動時間で途中で寝てしまったので(笑)ハーフセンチメンタルくんに留まりました。
そんなハーフ状態で無事空港に着きまして。
最終便まで2時間以上あったのでお土産屋見たりして過して。
(私は暇を持て余して缶ビール飲んだりしましたが)
何とか最終便で羽田へ飛びました。
ちなみに金属探知のピンポーンは事前にブーツを脱いで臨んだので大丈夫でした。
ブーツめ、お前のことなんかお見通しなんだよと言ってやりましたが、
ブーツはふてぶてしくそこに佇んでおるだけで何も言わないのです。
今回知床の雪を踏んだブーツは傷だらけになってしまったんですが、
その傷は知床の思い出と共に刻まれた証なのだと思うと妙に愛おしく思えたりした次第です。
またこのブーツで知床の雪を踏めるでしょうか。
取りあえず今は思い出と一緒に仕舞っておこうと思います。
fwj一行のみなさんお疲れさまでした。
そしてNPO SHINRAスタッフの方々、大変お世話になりました。
ありがとうございました。
ということで。
知床、とても良い土地なので興味持たれた方はぜひ訪ねてみて下さい。
お勧めです。