home sweet home

私もギターで参加させていただいた山田稔明氏の新譜「home sweet home」発売になりました。
彼のスイートかつジェントルな歌声で綴られる家路をテーマにしたアルバム。
イトケンさんのドラム、安宅さんのペダルスティール、マンドリンなどのサポートも素晴らしいです。
私は彼のライブに時折サポートで参加させていただいているので、
収録曲が客前でどう育って伝わっているのか割と近くで見て来たわけですが、
それはまさに旅路の過程だった楽曲が回を追う毎に家路になっていくような印象で、
ライブの現場で楽曲がこなれて段々と地に足が着いて行く様をお客さんはみな温かく見守っているし、
なんならお客さん自身が一緒に楽曲を育てているという実感を抱いているかのようにも見えました。
(そう言うと山田氏は「いや俺が必死で育てたんだ」とか言うかもしれませんが・笑)
実際に会場でお客さんのコーラスを録音し曲中で使用するという試みも彼はしていて、
それこそこれを家に持ち帰ることが出来て毎回ライブに来ているお客さんは嬉しい事でしょう。
ようやく家路へと辿って来た楽曲群を自分の部屋で通勤途中の電車でお風呂で聞けるわけですから。
ライブに来られない人もその成果を家で楽しめるわけですしね。
言うなれば「地に足の着いた青臭さ」が彼の魅力じゃないかと思うわけですが、
家路をテーマにするとより地に足の着いた感が顕著になっているかのようで、
「glenville」の「心は穏やかに閉じてゆく」という一節などは
30代半ば(過ぎ)の彼の静かな心境が伺えるようで共感を覚えました。
「青く塗りつぶすような静寂がただ耳鳴りみたいに押し寄せる」とかいう
彼らしいポエジーもちゃんと配置されていますけどね。
「言葉をいくつも飲み込んで大きな荷物にため息ついて」という現実も盛り込まれているし。
みなそれぞれのglenvilleを思い浮かべて普遍的に響くような気がします。
そんな中に「クレールとノアール」とか「hanalee」みたいな
ふわっとしたファンタジーが入ってるのが良いんじゃないでしょうかね。
(S&GとPPMですよ)
彼と飲んでると割と下世話な話とか毒舌が飛び交ったりして(それが楽しいんですけどね)
この人ホントにhanalee書いた人なのとか思ったりする瞬間もあったりなかったりですが(笑)、
そんな彼のMCを楽しみにライブに来ている方も多いのでしょうね。
彼のライブに来ている人は同世代の方々が多いのかと思いきや10代とかの若い方もいるようで。
そういう人は彼の歌をどう捉えているのか興味あるところです。
あと細かい感想などは今度彼のライブに参加した時にでもMCで喋ります(笑)。
いつになるかはわかりませんが。
アルバムはライブ会場か通販でぜひどうぞ。
とても良いアルバムです!
レコ発は今月29日下北沢CLUB QUEです。
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