ひとりぼっちのあいつ

アップルのビートルズ楽曲の配信開始が話題ですが、
そんな中ジョン・レノンの伝記映画「ノーウェア・ボーイ」を見て来ました。
彼が実の母とは離ればなれで伯母に育てられたというのは有名な話ですが。
彼の実の母親と伯母と若き日のジョンを巡る複雑な人間関係と家庭環境をベースに
彼がいかに思春期を過ごし音楽に目覚めて行ったのかが描かれているんですが、
これを見ると「マザー」という楽曲の聞こえ方がまた変わってきますね。
彼の母親に対する複雑な思いとその重さがよく伝わって来て。
すごく魅力的に描かれているんですけどね、彼の母親役の人。
一方で問題ある女性でもあって。
そこら辺、親と子の物語として結構重たい展開なんかもあるんですが、
ビートルズを結成に至る頃のジョンの青春ドラマとしても楽しめたのが良かったですね。
初めてバンジョーに触れて時間を忘れて練習するくだりとか、
初めてギターを買って来て、それをベッドに置いて惚れ惚れしながら眺めるくだりとか、
バンド始めたての少年のときめきみたいなのもきちんと描かれていて良かったと思います。
ポールとの初対面のシーンとかも本当にこんな感じだったんじゃないかと思えるような感じで。
お前どんだけ弾けるんだよ、みたいに牽制しつつも、
おっこいつやるじゃんみたいな、直感で仲間意識が芽生えるような感じというか。
こういうの良いなあとしみじみ思いながら見てしまいました。
ただポール役の子は顔は全然似てなかったですけどね(笑)。
ジョン役の人は声もジョンに似ていてかなり雰囲気掴んでいましたね。
「俺を殴れよ!」→本当にぶん殴る→直後に「ゴメン!」→泣きながら抱擁、
みたいな青春ドラマ的展開が本当にあったのかはわかりませんが、
あったら良いなあと思うビートルズファンはたくさんいると思います。
そのようなビートルズファンもきちんと楽しめる内容になってたと思います。
私もポールっていい奴だなあとか、若き日のビートルたちの青春を温かく見守ってしまいました。
ミミ伯母さんに「新しいバンドの名前何だっけ?」と聞かれるくだりでは
大きな声で「ザ・ビートルズ!」と答えて欲しかったですけどね。
せっかくのナイスなフリをジョンのやつ何してんねんと思いましたけどね。
ジョンが母親に捧げたという「ジュリア」という曲の中に
「Ocean child」という一節があり、これは直訳すると「洋子」というのは有名な話ですが、
ジョンはヨーコさんに母親を求めていたのだなあと改めて思いましたね。
ジョンのお母さんがいなければ今頃ジョンはギター弾いてなかっただろうし、
ビートルズも生まれてなかったと思うと彼の母親に感謝しないといけないところですね。
アップルのトップページのビートルズの動画など見つつ、
改めて偉大な存在だなとしみじみ思った次第です。
そのうちシド&ナンシーみたいにジョンとヨーコの伝記映画も出来るんでしょうかね。
ヨーコ役は何となく菊地凛子辺りが良いんじゃないでしょうかね。
ジョン役はいっそショーンくんがやると良いんじゃないでしょうか。
まさしくちょうどいい、という感じで。
http://nowhereboy.gaga.ne.jp/