ゲゲゲの工房

この頃はすっかり髪が伸びきってしまって、
前髪が鬼太郎の如く片方の目をざっくり覆い隠してしまっている始末で、
歩く度にゲゲゲというジングルが耳を掠め、
妖気を察知する度に髪の毛の一部が逆立ちそうなテンションで過しているのですが、
何も鬼太郎に憧れているわけでもなく、彼のコスプレをしたい願望に取りつかれているわけでもなく、
ただ単純に散髪に行っていないという理由から鬼太郎ライクな髪型になってしまっているのです。
所謂無精鬼太郎です。
お洒落鬼太郎でも模倣鬼太郎でもなく。
DVD用のレコーディングが一段落したら切りに行こうかなと、
作業に句点読点を打つような意味合いで散髪予定を立てていたものの、
なかなかレコーディングが一段落しないままずるずると時は経過してしまい。
気が付けば鬼太郎の出来上がりというわけです。
風が吹けば桶屋が儲かるという理論と同一です。
不思議なもので鬼太郎ライクな髪型で過していると出かける際に
「行くぞ一反木綿!」などと口走ってしまったり、
お椀を見かけるとお湯を注ぎ湯加減を調整してしまったり、
ビビビ、という水木しげる先生独特のビンタを誰彼構わずしてしまいそうになるのであり、
髪型によって気分って変わるんだね、と女子のような感想を今更に抱いたりしています。
タモさんが「髪切った?」とゲストに問うのはそこに鍵があるような気がします。
気分が変わったのかい?と、相手のインターをビューする前のノックのようなものです。
心のドアをコツコツと叩くという行為なのです。
人生に必要な事象をいくつもタモさんに学んでいるような気がします。
私は今日も心にタモさんを抱きながら猫を作り曲を作るのです。
行くぞ一反木綿!
などと口走りながら。