猫町に灯がともるころ

制作期間の短さにひーひー言いながらレコーディングした例のDVDですが完成致しました。
そして目出たく発売になりました。
ストップモーションアニメ作品「Alive 猫町に灯がともるころ」です。
猫を題材にしたウッドピクチャー、ウッドール作家の小嶋伸さんの作品をコマ撮りで動かし、
音楽と共に物語として映像に仕上げたいわば動く絵本といった趣きの温かい作品です。
監督は猫専門の写真家の板東寛司さんで、私は前回の猫のDVD「寝ん猫」に続いての音楽での参加です。
元々私は昔から小嶋さんの作る木彫りの猫人形のファンだったんですけどね。
数多くの作家さんがいる猫業界でもこの人の作品は別格だよなあなどと思っていたところ、
去年の瀬戸での招き猫祭りで初めてご本人とお話する機会がありまして。
その時に今回のアニメ化の話を伺って「じゃあ音楽私がやりますよ」とかるーく口約束した経過がありまして。
その後何の音沙汰もなかったのでかるーく口約束したせいだろうか、
おもーく指切りげんまんくらいしないといけなかっただろうかなどと思いつつ、
しばらく経ってそのことすらすっかり忘れた頃に
「五十嵐さん音楽お願いします、締め切り来月なんですけど」と監督から突然の依頼があり。
今回参加するに至ったというわけです。
「締め切り来月なんですけど」の部分に「あれ大丈夫かな」という一抹の不安は生じたんですけどね。
しかもその時点で映像自体出来ていないというし(笑)。
仕方ないので絵コンテと想像力のふたつのみを駆使して全部の曲を作ったんですけどね。
もうアムロいきまーすのテンションをキープしつつ。
フル稼働で10数曲の素材を用意して。
結局その後初めて映像を見たのが締め切り4日前というぎりぎりな進行でしたけどね(笑)。
その後映像に合わせた音作りをして完成、その2週間後にはDVDが出来ててもう本日発売というわけです。
私と監督の勢いがそのまま現れていて、主人公の少年の駆ける様がそのまま我々とだぶって見えるようです。
小嶋さんの方はというとこの作品のために1年もかけて特製の人形や小物や舞台を制作したそうで。
実際作品に出て来る数多くの人物(猫なので猫物でしょうか)も個性溢れる魅力的な仕上がりで、
お店や劇場、電車などの舞台も手間暇かかっていますし。
小物も細部にこだわった丁寧な作りで、それらを眺めているだけでも楽しいし、飽きません。
これらをすべて手作りで仕上げているのだからものすごい作業量です。
(小嶋さんの人形作りのメイキングの映像だけでも見応えあって楽しめます)
こんな可愛い猫たちが動くのだから楽しくないわけがないでしょう。
しかも全編私の音楽に彩られているのですから(笑)。
私も猫作家の端くれとして小嶋さんの世界観を理解し、それに似合う素敵な音楽を作りました。
ポケットに入れて歩きたくなるようなささやかだけど可愛い曲ばかりです。
ぜひ楽しんでいただけたらと思います。
この作品、アマゾンなどでも流通するそうですが、今は風呂猫の通販でお買い求め出来ます。
興味持たれた方はぜひに。
よろしくお願い致します。
http://necomachi.com/alive/