プールサイドで待ち合わせ

誰が何と言おうと夏だなこれは、と認めざるを得ないくらいの猛暑でしたね。
もうこれは完全に夏です。
夏なんです。
すっかり夏に包囲されてしまいました。
もう手を上げて降参するしかありません。
夏の存在感は年々増してきているようです。
どうしたものでしょうか。


今朝自転車で近所の中学校の横を通ったらちょうどプールの授業中で、
水の匂いと共に冷たそうな飛沫が青い空に跳ね上がって、
この強い日差しの中にあって大変涼し気でありました。
中学生たちも「ひょう〜」などと嬌声を上げて嬉しそうで。
私はその光景を見ながら思わずそこに合流したい衝動に駆られたのですが、
私のようなものが突然学内プールに中学生に混じって泳いだりしたら大変です。
ポリスメン登場レベルの事件になってしまいます。
「プールの授業中なぜか見知らぬおっさんがひとり混じって泳いでる件」
ツイッターに呟かれてしまいます。
それをリツイートされて拡散されてしまいます。
そんな事態は避けなければなりません。
かといって中学生に見えるようコスプレしても通用しないでしょうし。
そもそも水着で中学生という身分を表現するのも難しそうですし。
「あれ、うちのクラスにあんなおっさんいたっけ?」と
疑問を抱かせてしまってはおしまいです。
「心の綺麗な人にしか見えないプールの妖精」という設定にして合流し、
もし見つかって「お前は誰だ!」と問われたら
「みなさんに私の姿が見えるのですか?みなさん心が綺麗な証拠です。ワンダフル!」
と褒めながらダッシュで逃げるという手も考えたんですが。
結局逃げるんかいという感じですしね。
「プールには神様がおるんやで〜」という「プールの神様」という曲をリリースし、
大ヒットを飛ばした後紅白歌合戦にも出演し、
それにまつわる絵本やエッセイ本も出版し、果ては講演会で全国を回り、
民放のバラエティに出演し島田紳助に「素敵やん」とか言われたりし、
プールの神様という代名詞を完全に定着させてから堂々と神様として
中学校のプールに合流という作戦も考えたんですが、
時間がかかりそうというかそんなことまず不可能だしなと
ナポレオンとは異なり不可能の文字が辞書のそこかしこに書かれている私としては
結局中学のプールにしれっと合流という計画を断念せざるを得なかったのですが、
私をプールの神様の座にまで導こうとした猛暑時のプールの魅力というのものはえらいものですね。
思わずギターを手に「プールの神様」を作曲しようかと思ったくらいです。
まあしませんけどね。


ここまで書いて来て何だか無性に「ウォーターボーイズ」を見たくなってしまった私がいます。
映画版じゃなくてテレビドラマ版の方。
ああいうひと夏の青春ものに私は弱いのです。
この夏はプールなんぞで泳いでみようかしら。
そんなことを思いながら6月の終わりを走っている私です。