サムシング記念日

今日7月6日はサラダ記念日なんだそうですね。
『「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日』
という俵万智さんの短歌が由来なんだそうですが。
今だったらfacebookのコメント欄に「いいね!」と付く感じでしょうか。
いいねと言われたサラダが果たして何味だったのか気になるところですね。
手製のオリジナルドレッシングの味だったんでしょうか。
まあ生野菜に出来合いのドレッシングかけただけで記念日になるわけはないですが。
実はキューピーのドレッシングかけただけでした〜とかだったら面白いですけどね。
毎食「この味がいいね!」と言う度に記念日が生まれれば
そのうち毎日が記念日になってメニューもどんどん被っていくでしょうね。
サラダ記念日とみそ汁記念日と生姜焼き記念日と玄米記念日が同じ日とかになったり。
もうその日は玄米の生姜焼き定食サラダ付きというメニューで決まりですね。
ちなみに7月6日に出した料理がサラダじゃなくてビーフストロガノフとかだったら
やはりビーフストロガノフ記念日になったんでしょうかね。
「ねえ今日って何の日かわかってる?」
「えー、何だっけ?結婚記念日じゃないし」
「重要な日よ、忘れたの?」
「えー、誕生日は来月だしなあ」
「ねえ、本気で忘れたの?!」
「えーごめん、何の日だっけ?」
ビーフストロガノフ記念日でした〜」
「知るかっ!!!」
みたいな会話が成されそうです。
何でも記念日にすりゃあいいってものでもありません。
サラダと記念日という意外な単語の組み合わせの妙と、
サラダの味付けという細かいところに気を配る女性の目線と
そこを男性が褒めてくれた嬉しさを「記念日にする」という
大仰かつ可愛らしい手法で表現する辺りが実に詩的かつ素敵で、
2人の関係性が始まり出した初々しさと
女性の恋する弾むような気持ちが込められた名作であるわけで、
これがビーフストロガノフだと狙い過ぎで興ざめなわけで、
あくまでサラダという片仮名の単語が来る辺りがジャストなわけですね。
現在でもこの歌に共感する女性はたくさんいるんじゃないでしょうか。
ところでポテトチップスのサラダ味みたいな名称のスナック類をたまに見かけますが、
ああいうのはつまるところ何味なんでしょうね。
何かしらのドレッシングの味だと思うんですが。
サラダ味と聞くとサラダだから栄養あると思いがちですが
あれはあくまで味だけなので騙されてはいけませんね。
サラダ風味とかも。
風味に記念日を作らせてはいけません。


私たちは毎日何かしらの記念日を生きているわけです。
今日がビーフストロガノフ記念日だという人もいることでしょう。
そんな日が素晴らしい一日であれば幸いです。


「クロッカスが咲きました」という書きだしでふいに手紙を書きたくなりぬ(俵万智