暗くなるまで待って

ここ数日わりと涼しく過しやすい気候で、
何だか夏の終わり頃のような気分になっていたのですが、
実はまだ7月なんですよね。
西瓜も食べてないし花火もしてないし扇風機の前であ〜も言ってないし、
よくよく考えたら夏っぽいことまだ何もしていません。
仕事しているかあとはレコーディングしているくらいです。
あとは夏の夕景を眺めるくらいです。
でもまあこの夏はそれで良いんじゃないかくらいに思っています。
今作りかけている曲が形になるよう邁進したいところです。


先日夕方6時頃に公園で花火に興じている小学生女子3人組を見かけたんですが、
夏の夕方6時というのは実はまだまだ明るく、
ようやく西日が陰りを見せ始めるといった頃で、
そんな明るさで花火をしても情緒に欠けるというか、
暗闇あってこそあの色とりどりの火花が散る光景が映えて美しいわけで、
それじゃ花火の醍醐味を味わえていないので勿体ないぜガールズ、と
女子たちに花火時間変更の旨を意見しようかと思ったのですが、
いきなり知らないおじさんが「暗くなるまで待って」と告げても
オードリー・ヘップバーン主演の映画かという話で、
「まあ夏に変態が現れたわ、いやらしい」と
女子に怪訝な目で見られたらショックで泣いちゃいそうな自分もいたので
ツイッターにて世間に意見を述べるに留まったのですが、
あの時間しか花火に興じる間がなかったのでしょうか。
夏の花火の瞬間だけでも門限を解除してあげても良いのにと
顔も知らぬ彼女らの親御さんに申し出たくなった次第です。
ビールを飲もうとしたらまだ全然冷えてなくてぬるいんだけど
この状況でビールをどうしても飲みたいので俺は飲むあえてぬるいビールを、
みたいな場面がたまにあるのですが、
ビールの醍醐味を存分に味わえない状況に於いてもあえて突進することがあるのに似て、
彼女たちもこんな明るさで花火やっても楽しさ半減だけど
あえて突進するわ、私たちの青春よ夏に散れ、
みたいな状況だったのでしょうか。


夏にそこはかとなく漂う哀愁は、ぬるいビールが体現しているような気がするのですが、
それでも酔える、酔ってしまいたい自分がいて、
それが哀しくもあり楽しくもあるのです。
でも出来れば冷えていて欲しい。
そして花火は夜に散って欲しい。
そう夏に願う私です。