9月の金魚

気が付けば9月も後半に突入しているというわけです。
早いのです、早過ぎるのです。
誰かが時の経過を早めているのか、
誰かに時の経過を早める薬でもお茶に混入されているのかと
普段飲んでいるお茶の成分を分析したい衝動にさえ駆られているこの頃です。
ライブ後は映画「監督失格」を鑑賞したりmicroshotのライブを鑑賞したり、
あとは地味に仕事してレコーディング作業も地味に再開して、
その隙間を縫ってテレビ版「北の国から」シリーズを鑑賞したりと
それなりに充実した日々を送っています。
それぞれの感想はみなツイッターに書いているのですが、
そこで書いちゃうとそれで満足してしまって改めてブログに書く気がしなくなってしまうのが難点で、
今こうしてブログを更新しようと文章を書き出したところで
さて何を書けば良いのかと空を見つめるばかりの己がいて困惑してしまっています。
別に困惑する必要はないんですけどね。
それにしてもこの頃は如実に秋の気配を感じられるようになりました。
夏の間はすっかり夕空を眺めるのが習慣になっていて、
写真を撮ってはツイッターにアップしたりしているのですが、
最近は日没が早まっているので気が付くと夜が到来してしまっているので
なかなか夕暮れの良い瞬間を捉えるのが難しくなって来ています。
憂いを帯びたその表情を味わえるのが夏の醍醐味ですが、
それももう見られなくなりそうです。
秋の日は釣瓶落としなんて言いますがあっという間に日暮れてしまうのです。
え、もう昼間が終わりなの?と少し寂しい気持ちになりますね。
永遠に続くかのような夏の昼間が懐かしいです。
秋ならではの楽しみというのも見つけないとなと思案しているところです。


ところでこの間たけヒーローくんが金魚の本を見せてくれたのですが、
金魚の種類に付けられた名称がなかなか趣きがあって、
金魚の麗しきビジュアルよりも名称の方に心惹かれてしまいました。
「和金型」とか「琉金型」とか「オランダ型」とか「らんちゅう型」とか分類されたそれぞれにも
「浜錦」とか「蝶尾」とか「花房」とか「水泡眼」とか種類が分かれているのですね。
http://www.sakura-nishiki.com/kingyocatalog.html
私が心惹かれたのは「更紗蝶尾」とか「日本花房」などの和風美人な名称ですね。
金魚というと出目金くらいしか名称が思い浮かばない金魚音痴な私だったんですが
(「金魚音痴」という呼び方もそれはそれで面白いですけどね)、
そんな粋な名前が付いていたらそれだけで見る目が変わってしまいそうです。
金魚屋さんに行って「お、これ更紗蝶尾だね。可愛いね」なんて
さらっと言えたらモテそうな気さえします。
「きみの泳ぐ姿、更紗蝶尾を思わせるね」とか応用してみるのもありですね。
(プールや海でしか使用出来ない台詞ですけどね)。
「俺は和蘭獅子頭が好きだなあ」とか通っぽく言うだけで
「こやつ出来る!」と思わせるのに有効な気がしてしまいます。
和蘭」に「獅子頭」が付くネーミングって凄くないですか、そもそも。
しかもそれ金魚だというのだから。
金魚に獅子の要素ゼロなのに。
夏も終わりだというのに俄然金魚に興味を持ってしまった次第です。


名称と言えば以前「花の名前をさらっと言える大人って素敵じゃね?」と思い、
花のポケット図鑑などをいそいそと購入し、その名称に感心したりし、
その麗しき名を覚えようなどと思い立ったことがあるのですが、
アイフォーンのアプリに「花の写真を撮るとその名前を教えてくれる」というのがあるそうですね。
いちいち図鑑を参照しなくても暗記しなくても名称がわかるというのは大変便利です。
来てるな未来!という感じがしますよね。
ただ毎回写真に撮ってその都度アイフォーンに教えを乞うというのも何だかなあという感じですけどね。
「えーとちょっと待ってね、今携帯で名前検索するからね、
まずは写真撮るからね、えーとどうやるんだっけ、
あ、電波悪いなあ、ソフトバンク使えねーな、えーとアングルが決まらないなあ、
あれ逆光なのかな、こっちから撮ればいいのか、えーと待ってね、これで入力すれば良いのか、
えーともうすぐわかると思うんだけど、どうやるんだっけな、んもう電波入んないしー!」
などとやってる間にその花への興味も薄れてしまいそうです。
道端に咲く花を見て「これはベゴニアセンパーフローレンスだね、綺麗だね」
などとさらっと言える方がスマートな気がします。
さらに花言葉も付け加えるのがベストですね。
「ちなみに花言葉は『永遠の愛』だよ」などとカブせ技を駆使するのもありです。
たまたま花言葉が「別離」とか「裏切り」とかだったら最悪ですけどね。


そんなわけで花と金魚についての考察をつらつらと記してみた次第です。
こういう文章はツイッターではなかなか書けません。
そんなわけで9月の残りをすいすいと金魚の如く華麗に泳ぎたいものだと
決意をしてみたりする私です。
秋もよろしくどうぞ。