私、モテキを鑑賞し

大根仁監督の「モテキ」を鑑賞しました。
微妙にネタばれしながら感想書きますのでご注意下さい。


ミュージカル仕立てと言ってもいいくらい数々の名曲に彩られた
笑いあり涙ありの青春ラブコメディー映画とざっくり言って良いんでしょうか。
サブカル好きならおっと唸らざるを得ない小道具やちょい役キャスティングも魅力的ですが、
主演の森山未來とヒロインの長澤まさみ麻生久美子が何よりも魅力的で素晴らしかったですね。
長澤まさみの可愛さとエロさをあれだけ引き出した監督の手腕は大したものだと思いました。
「ドロンします!」とか「どんだけ見つめ合えるか試してみようよ」とか口移しで水飲ませるところとか、
長澤まさみにあれだけの攻撃されて落ちない男なんていないだろうと言わんばかりの描写に
監督の過去の実体験やら夢想やら妄想やらが凝縮されて込められているようで何だか良かったですね。
女好きのリリー・フランキーもハマってたし、麻生久美子も巧かったですね。
カラオケの後で幸世と別れる橋のところの描写が切なくてあれは胸キュンでしたね。
またあそこでジュディマリの切ない曲をかけちゃう辺りが。
「かまってちゃんをyoutubeで見るからあ〜」という台詞なんかも秀逸でした。
牛丼食べた後のご飯粒の描写も良かったですね。
あれは「1粒だと少なくて3粒だと多いな。よし2粒だな!」などと
細かいディレクションがあったんでしょうか。
衣装が似合ってて可愛いなと思ったら旦那がスタイリストだったんですね。
そりゃ嫁の可愛さ引き出すだろうという感じで。
全体的にどのキャラも衣装が似合っててセンス良かったですけどね。
個人的にはPerfumeの登場におおっ、と上がりましたね。
森山未來くんのダンスがまたキレがあってあそこのシーンは素晴らしかったです。
カラオケの映像みたいになる演出やiPodでマイBGMを流すというくだりなど、
音楽がキャラに寄り添っていて個人的に鳴らされてる風なのが
ミュージカル映画として新しい形のような気がしました。
テレビ版の時からそういう使い方でしたけどね。
「弱ってる時のアイドルソングは麻薬だよ」という台詞も良かったですね。
実際主人公が恋愛に関わるのは2人でしたけど、
仲里依紗真木よう子の深くて厳しくて優しい眼差しもポイントになってるんですよね。
2人の発するのが至言ばかりで、もうかなわないわと降参したくなりました。
しかしこんだけツイッターを使った映画って今までないんじゃないかというか、
ツイッターがコミュニケーションツールとして現在機能しまくりなんだなーと
改めて思ったりしましたね。
20年後くらいにこの映画見直したら「あの頃ツイッターでコミュニケーションしてたよねー」とか
懐かしく思い出すんでしょうか。
映画館は結構満員に近くて人気なんだなと思ったんですが、
すぐ後ろで見てたカップルが「マジ引くよねー」だの「可愛くね?」だの
「キスし過ぎじゃね?」だの思ってることを口にして報告し合う会を実地して甚だ迷惑であったので
「ここは茶の間じゃねえ」という思いと共に何かしらの天罰を祈っておいたので、
今頃タンスの角に足の小指をぶつけるなどのダメージを負っている事でしょう。
劇場を出たら別な若いカップルが「最後にかかってた曲って最近の曲じゃないよね?」などと話しており、
最後にかかる曲といえば「今夜はブギーバック」という我々世代のアンセムであるゆえ、
その世代ギャップに軽いめまいを覚えたりもした次第です。
そんな世代の子が見てて数々のサブカルキーワードに気が付くんでしょうか。
本棚に差してある「まんが道」愛蔵版などに。
まあ気が付かなくても恋愛物として普遍的な作りになっていたし、
長澤まさみとのやりとりとかかなり深く踏み込んだ描写もあったりで
サブカルを知らぬ子も楽しめるんじゃないでしょうかね。
ぐさっと来る長澤まさみのひと言などは監督が実際言われた台詞なんでしょうかね。
最後も「ええ、そうなるんだ?」と思いましたが、
ああでもないと映画としてカタルシスないよねと思ったりもして。
主人公たちが笑って泣いてとにかく走るという青春ものの基本が全部入ってて
私はこういうの大好物であるとここに表明してしまう次第です。
しかし森山未來って良い役者さんですね。
今後も色んな幅広い役柄を演じられそうですね。
あと長澤まさみもどんどん良い女優さんになっていくんじゃないでしょうか。
この映画見て飲み会などで「ドロンします!」とか実際に使用する女子がいそうですが、
あれは長澤まさみだから許される技であると思われるのでぜひ注意を促したいところです。
そんなわけで興味持たれた方はぜひ劇場に。
ということで。