桜ポロック

気が付けばすっかり桜も満開になっておりました。
もう永遠に春は来ないし桜も咲かないのかと思っていました。
明けない夜はないし止まない雨はないし、
咲かない桜はないのですね。
(わかりにくい言い回しですが)。
東武線の浅草駅から隅田川が一望出来るのですが、
両岸に並ぶ桜並木がもう圧巻という感じで咲き誇っていて。
こんなに美しい色があるのかと改めて思いますね、桜の花。
そりゃ桜の木の下に集まって酒盛りするよという感じで。
実際隅田川沿いは花見スポットとして有名で、
場所取りと思われる新入社員らしき人がブルーシートを敷いて
「ここは死守っす!」とばかりに座り込んでる様を頻繁に見かけました。
桜の木の下の争奪戦は血で血を洗う勢いだったのでしょう。
今日なんかも夕方、人通りがたくさんあるのに
ここはお前の自宅かと言いたくなるようなくつろぎ方で
ブルーシートの上で酔っぱらっているおっさん2人がいました。
柿ピーのでっかい袋をパーティー開けしようとして失敗したのか、
柿ピーがシート上にわさわさわさーと散乱しまくり、
その混沌ぶりがまるでジャクソン・ボロックのアート作品の様相で、
その脇を第三のビールの空き缶が絵の具の空き箱のように転がっていて、
ここはポロックのアトリエなんだよと言われれば信用してしまうレベルでした。
最早シートに寝ているのか柿ピーに寝ているのかわからないという。
あの柿ピーはその後全部食べたんでしょうか。
ブルーシート上の柿ピー。


桜の木の下に敷かれたブルーシートを見る度に
どうしてブルーシートはブルーなのであろうかと思うのですが、
赤とか派手な色だと桜の色を邪魔するし、
桜の木の下に置いてみて一番無難な色が青ということで
桜基準で青になったのだろうかなどと思ったのですが、
(別に花見以外にも用途はあるんですが)
何しろ「ブルーシート」と名称に色が指定されちゃってますからね。
ブルーシートとブルーハーツくらいでしょう。
青指定されてるのは。
で、今検索して調べたら「空の色に溶け込み景観を損ねないから」と
「青の塗料が安価だから」という理由が見つかりました。
それを聞いたら「じゃあ青だね」となりますよね。
そこを反発して「いや赤でいこう!レッドシートだ!」とはならないでしょう。
赤いシートを桜の木の下に敷くと血を連想させるし、
桜の木の下には死体が埋まっているなんて話を思い出してしまうし、
花見のテンションも変わってしまいそうです。
争奪戦で血で血を洗ったことを忘れないためには良いのかもしれませんが。
柿ピーをぶちまけても同じ暖色系で目立たないでしょうし。


この柔らかなピンクの色彩もそのうち散ってしまうと思うと
何たる儚さなのかと切なくなったりするわけです。
ブルーシート上で堪能出来るのも今のうちと思えば
柿ピーアートも許してあげたくなりますね。
まあ後片付けしてくれれば別に構わないんですが。
そんなわけであと少し、桜の色を楽しもうなどと目論んでいる次第です。
浅草奥山風景は5月7日まで続いております。
浅草寺境内にて色々な職人が実演をしていますので、
浅草にお立ち寄りの際はぜひよろしくお願いします。