カメラ!カメラ!カメラ!

気が付けば4月も半ばです。
桜もだいぶ散ってしまいました。
昼間はかなり暖かくなって来ましたが、朝と夜はまだまだ肌寒いですね。
この季節が一番服装のチョイスが難しいです。
さすがの私もこの時期にがっつり冬物コートを着込んでいると
「あいつ何なん?」と後ろ指をさされそうなので一応春物の上着を羽織るようにしています。
その下にあれやこれや隠し着込むという作戦でこの微妙な肌寒さと戦っています。
早く完璧な暖かさが訪れると良いのですが。


そんな季節ですが、相変わらず浅草は観光客で賑わっています。
浅草寺ではそこかしこで参拝客が記念写真を撮っているので、
ちょっと横切るだけで誰かの記念写真に映り込んでしまいそうな勢いです。
この間はわざと被写体の人物のうしろに立ち、
あらゆる記念写真に映り込む作戦を遂行してみました。
中国人、アメリカ人、フランス人、日本人など。
カップル、家族旅行、友人同士など。
被写体の背景でぬぼーとさり気なく映り込んでいるのは心霊ではなく私です。
「あれ、この人やたら見切れてない?」と不審に思った方もいたことでしょう。
しかしみんなどれだけ旅の瞬間を永遠に閉じ込めたいのでしょうか。
記録に残したい願望に満ちているのでしょうか。
浅草寺境内はまさにシャッター音で溢れかえっています。
中にはゴミ箱の横とか「え、そんなとこで撮るのん?」
というがっかりロケーションでがっつり撮ってる人もいるし。
デジカメ、ムービー、携帯などひとりで3台取っ替え引っ替えしたり、
天狗の鼻のごときロングロングな望遠を携えたメカを駆使したり、
お前は戦場カメラマンかとツッコミを入れたくなるくらい
連続でのべつまくなしに撮っているおっさんも多数います。
その過剰なジャーナリズム魂はどこから生まれるのでしょうか。
シャッターチャンスあり過ぎじゃね?と思うわけです。
心のカメラで撮影をし、「パシャ、保存」と心のフォルダに保存する
金八先生リスペクトな人はいないのでしょうか。
思い出は形にしなくても心に残っていれば良いのさと
手ぶらでその場の空気を楽しむ余裕はないのでしょうか。
ここぞという瞬間をきちんと押さえることが出来る人が
写真のセンスの良い人だと思う次第です。
センスの良い人は撮らなくていいところは撮らないのですよね。



境内のお店で実演をしていると「撮影しても良いですか?」のひと声もなしに
みんな無遠慮にパシャパシャ撮影するので
「ひと声掛けてくれれば良いのにー」と最初は思ってたんですが、
あまりにみんな撮りまくるのでそのうち慣れてしまいました。
観光地だからオッケーっしょ?という前提があるのでしょうかね。
一日座っているだけで多いときは100以上のカメラに撮影されています。
軽く声を掛けてくれれば気持ち良いんですが。
「いやーん可愛い招き猫〜」と無遠慮に商品を撮りまくった後、
結局何も買って行かないしありがとうのひと声もなく去られると、
何だか心の一部を冒されたような気分だわと
乙女の如く我が身を抱き寄せてみたくもなるのですが、
あれは撮ってどうするんですかね。
「この店で買い物したんだよ」と後で振り返る材料として撮るならいざ知らず。
何も買わない店の商品を撮ってお前はそれをどうするんだいと
問うてみたい衝動に駆られるのですが。
「浅草で素敵なものたくさん見つけました(ラブ)」みたいにネットに載せるのでしょうか。
素敵なものはお金出して買うてから載せ給えよと朝まで説教したい衝動に駆られるわけですが、
まあ朝まで付き合ってる暇はないので放っておくに留まるわけです。
まあ楽しい観光にあれやこれや口出しする気もないんですけどね。
そこにカメラがあるなら撮ればいいさ、ただしマナーも大切にねという感じです。
彼らが撮りまくる写真の中に煌めくような美しい1枚があることを願うばかりです。
しゃしーんーにはーうつらない〜うつくしさーがあるから〜と
リンダリンダを口ずさみながら浅草を闊歩してみたりする私です。