オーケストラの休日

等々力巣巣での「オーケストラの休日」、無事終了しました。
ご来場下さった方々、本当にどうもありがとうございました。
今回は山田稔明氏率いる夜の科学オーケストラの面々と対バンというコンセプトで、
安宅さん、イトケンさんと我々fwjバンドの3組の共演となりました。
如何だったでしょうか。
普段同じバンドで演奏しているメンバーですが、みなそれぞれソロで活動していますし、
音楽性もそれぞれ違うので、その個性をプレゼン出来たらなと思い企画した次第です。
実際3組のソロを初めてまとめて見た方もいらっしゃったことでしょう。
私自身、見ながらこうも音楽性の違う人たちがメンバーで集まってるとは不思議なものだと
改めて思ったりした次第です。
安宅浩司さんのソロアクトは私自身も実は初めてちゃんと見たのですが、
ピアノ弾き語りから始まってまさかの山田氏の楽曲のカバーあり、
(これがとても良かったのです)
ギターに持ち替えての弾き語りと、その温かい歌声と演奏に聞き惚れました。
普段はペダルスティールとギターを弾く姿しか見ていなかったのでピアノは意外だったんですが、
あとで聞いたら「ピアノを弾きたいと思って数年前から独学で練習した」とのことで、
独学であんだけ演奏出来るんかと驚いたのですが、
私も見習わないとあかんやんとなぜか関西弁で反省した次第です。


イトケンさんのソロアクトは久々に見たんですが、
魔法のように音素材をその場でループさせて楽曲に仕立ててゆく様は毎回見事で、
接触ノイズなどを素材にしながらもどことなくキュートに聞こえるのが魅力なんですよね。
イトケンさんは今や音楽シーンで大活躍のドラマーですが、
このひとりでの即興演奏スタイルが私は好きで、それを久々に見られて良かったです。
80年代のヤマハのおもちゃシンセを用いておりましたが、結構レアな機材なんだそうですね。
「この白がレアなんだよ」と語っておりました。
白のレアな機材が鳴らす電子音に包まれた空間が心地良かったです。


で、我々fwjですが。
今回は新曲を2曲ほど用意しました。
なかなかリハに手間取ったんですけどね。
以下、セットリストです。
1、タンスマウンテン
2、夏でもなく秋でもなく
3、一人二役のスキップ
4、カラフルなパラソル(新曲)
5、マッチ擦る刹那のダンス(新曲)
6、読みかけの夏
7、草原ヘッドフォン(全員でのセッション)

「カラフルなパラソル」ではシンセとリズムをサンプラーから出すことになったんですが、
サンプラーのボタンを誰が押すのかそのタイミングで押すのか、
「ボタンを押す」という行為にかなり難儀し、
すでに7人もいるのにボタンを押す係を募集しようかという衝動に駆られもしたのですが、
何とか手の空いてる者でボタンを押すミッションを遂行するに至りました。
巣巣のようなモニター環境でリズムと同期するのも無茶な感じなんですけどね。
曲中私の朗読が入るスタイルの新曲をいくつか作っているんですが、
この曲も中盤私が語る箇所があり。
ラッパー気分で意気揚々と語ったりました。
インストに言葉を添えてゆくという手法は今後の鍵になるような気がしています。
もう1曲の方の「ダンス」はマイナー調のメロで、完全インストなんですけどね。
見に来ていたライターの土佐くんからは
「あれのタイトルの元ネタ寺山修司でしょ」と指摘されましたが、
その元ネタ自体知らなかったので否定はしておきましたが、
まあそう思われるならそれでも良いかと思い直した次第です。
他のお客さんからは「似合うという意味のマッチすると掛けてるんですか?」とか
「メロがジャニーズっぽいけどあっちの方のマッチと掛けてるんですか?」と言われ、
私はどんだけ掛けてると思われているのだ、整いましたとかよう言わんでと、
なぜか関西弁で思ったりしたのですが、まあどのような解釈でも良いのです。
昔マーチという車のCMで「マッチのマーチはあなたにマッチする」というコピーを
マッチが語っていたのを唐突に思い出した次第です。
私もまさかそんな記憶を呼び戻すことになるとは思いも寄りませんでしたが。
「読みかけの夏」では私がアップライトピアノを弾いたんですが、
最初だけ弾いてあとはギターに移るというヨシキ方式を採用し。
人前でピアノを弾くのは初めてだったので緊張しましたけどね。
安宅さんくらい弾けるよう頑張りたいものだと決意した次第です。
横山さんがアイフォーンに仕込んで来たサンプル音を出すのに
卓と合うケーブルがないということが判明し、
本番前に等々力周辺の電気屋を回って何とか入手するなどというトラブルもあり、
何だかんだと大変でしたが何とか終わってほっとしました。
(探しまわった横山さんは大変だったでしょうが)


最後の「草原ヘッドフォン」ではオーケストラのリーダーである山田氏も急きょ合流し、
イトケンさん、安宅さんも加わり、出演者全員でセッションしました。
こんな大人数をバックに朗読するというのもあまりない機会です。
とても思い出に残る演奏となりました。
山田氏は最初見に来るだけのはずだったんですが、
事前に「当日巣巣で合流しましょう!」という熱いメールが来たので、
これは合流せねばなるまいということで今回のセッションに至りました。
ちょっと前に山田氏が佐野元春さんのライブを見に行き、終演後にご本人と会話した後、
別れ際に「またどこかで合流しましょう!」と言われたのが随分印象に残ったんだそうで。
それ以来色々な場面で「また合流しましょう」というフレーズを使っているのだそうです。
私もそれを聞いて、早速己の挨拶フレーズのリストに取り入れることに決めたんですけどね。
こういう風にある言葉やそれを受けた気分を共有出来るのがバンドの良さじゃないかと思う次第です。
印象深い「合流」となりました。
また近所に住む神森徹也くんや図書館(というバンドの)田中あやさんも見に来てくれて
嬉しく思った次第です。


また合流出来る機会が訪れればそうなることでしょう。
今回は楽しい企画でした。
またレコーディング活動の方に戻ろうと思う次第です。
6月ももう下旬です。


当日の模様は山田氏もブログに書いています。
オーケストラの休日
写真も載っているのでぜひそちらもご一読下さい。
あと草原ヘッドフォンセッションの動画がアップされています。
音は少し悪いですが雰囲気は伝わるかなと。