装飾系フォン

振り込め詐欺に使われた携帯電話が押収されたというニュースを見ていて、
実際その携帯が机の上にずらっと並べられている映像が流れたんですが、
その携帯群の中に何個かストラップが付けられているものがあり、
しかもファンシーな可愛い系のキャラ(ひつじ?)が付けられていて、
見ていて妙な哀愁を感じたのですが、
犯罪で使う用の携帯なのにストラップを律儀に付けたりするんですね。
犯罪専用だからこそ可愛いストラップで装飾し、日常を演出するんでしょうか。
犯人は電話で犯罪を起こした後、そのファンシーなひつじちゃんを見て
「嗚呼、俺は一体何やってるんだろ」と反省をしたりしないのでしょうか。
寧ろ犯罪を起こすような輩は「ひゃっほううまくいったぜ、ひつじちゃ〜ん!」と
電話の後、そのひつじに成功のキスをかますようなご陽気さを発揮するんでしょうか。
罪を犯した罪悪感で眠れない日々を過ごし、ひつじを数えて何とか眠ったところから
ひつじをセレクトするに至ったのかなとも思ったんですが、
そんな繊細な輩はそもそも振り込め詐欺などに手を染めないのでしょう。
ファンンシーなひつじを何も考えず付けてしまう辺りに犯罪者の浅はかさが見て取れます。
(別にファンシーなひつじを否定しているわけではありませんので悪しからず)


しかし携帯ストラップって思えば別に付けなくても構わないものなんですが、
大抵の人は何かしら付けていますよね。
あの装飾への意欲は何なのだろうとふと不思議に思うわけです。
かくいう私も携帯を持った後、初めに何したかと言うとストラップを買いましたからね。
携帯ストラップでその人の趣味嗜好がわかるし、
そこから人との会話が始まることもあるのである意味便利ですけどね。
たまに全然ジャンルも素材も違うものを複数じゃらじゃらと付けてる人がいて、
スマートにどれかに絞れば良いのになあと思う反面、
好きなものを全部付けちゃうという正直さに好感持ったりもします。
(中学女子が鞄にぬいぐるみとかお守りとかアイドルグッズとか
統制取れてない感じで付けている様を見ると可愛いなと思います)
一時期タレントのベッキーがもの凄い量のストラップを付けていて、
最早電話なのかストラップの塊なのかわからない様相を呈していましたが、
彼女は今もあの状態をキープしているのでしょうか。
それともスマホに変えてすっきりしてしまったのでしょうか。
携帯ストラップという商品ジャンルのおかげで売り上げを確保している業者は多いだろうし、
今後も生産はされるんでしょうが、
スマホが主流になると数が減るような気がして心配です。
地方のお土産屋でゆるキャラとか乙女キャラのストラップとか売られているのを見ると
「日本のファンシー文化は健在だなあ」と妙に安心するんですけどね。
アイフォーンに変えてまず気付いたのは「ストラップを付ける余地がない」ということで、
このシンプルで洗練された完璧なデザインには何も足させねえ!という
スティーブ・ジョブズ氏の意志みたいなものを感じたものですが、
その代わり本体をガードするケースという商品が提案されて、
今やドンキとか行くとファンシーデザインのケースが売られてて、
キティちゃんとかでアップルマークが隠されているわけで、
装飾アイテムは商品デザインが変わっても出て来るものなんですね。
そこら辺逆にちょっと安心したりもする私です。
スティーブ・ジョブズ氏は苦々しく思っているかもしれませんが。


振り込め詐欺犯罪に使われた携帯に付けられていたストラップのひつじは
その後捨てられてしまうんでしょうか。
自分の数を数えることもなく永遠の眠りについてしまうのでしょうか。
犯罪の装飾となってしまった我が人生を振り返ることもなく。
もういっそ振り込め詐欺を犯した犯人は豆腐にでもぶつかって死んでしまえと
少々乱暴な願いを込めながら今日は眠ろうと思います。
ひつじを数えながら。