芸人という在り方

先日の「アメトーク」の「どうした!?品川」企画は傑作でしたね。
久々にお笑い芸人の凄みをまざまざと見せつけられたような気がします。
企画者の東野のトークの突っ走り方も凄かったですが、
他の芸人とのチームワークも抜群で、今までにない面白さだったと思います。
品川という芸人を小馬鹿にしつつツッコミつつフォローしつつ笑いに変える東野に、
横でサポート的にボムを落として行く有吉、同期や後輩が語る品川の武勇伝という構図も良かったし、
「メガネをかけた小島よしお」という全然関係ない名フレーズも飛び出したりして(笑)、
品川を肴にこれだけトークが回るのだから凄いことだなと思いました。
実際あれだけ有能で売れているのにこれだけ好かれていない芸人て珍しいと思うんですが、
品川本人としては売れたい、才能を発揮したいと活動を広げているだけなんですよね。
ただ彼の貪欲で生意気で出しゃばりで小器用に小説は書くわ映画は撮るわ料理本出すわ旅本出すわという
無節操さとそこに付随するドヤ顔に視聴者はモヤモヤしたものを感じていたわけですが、
それを明確に言語化したのが有吉の「おしゃべりクソ野郎」だったわけです。
(あの発言後有吉に握手を求めて来る芸人が多数いたという話には笑いました)
でもそんなギラギラした上昇志向を持つ品川の姿勢を芸人として認めるし、
そんな品川が好きなんだけどやっぱり鼻につくよねという
アンビバレントな感情を東野は全部笑いに落とし込んでいて、
結果的に品川がおいしいことになっていて、いじり芸として見事だなと思いました。
(いじめといじりは明確に違うのですよね)
芸人が芸人に送るエールとしてはこれ以上のものはないような気がしましたね。
品川もきちんと芸人としてリアクションしていましたしね。
(「俯瞰して見ると3種類の嫌なやつ」という自虐フレーズには爆笑しました)
芸人魂を感じさせる最後のオチも素晴らしかったですね。
庄司っていいキャラクターだなと今回改めて思いました。
しかし東野が「どうした!?」と問いかけたのは品川だけじゃなく、
自分も含めた全芸人に「あの頃の野心を忘れてないか?小さくまとまってないか?」
とお笑い界全体に投げかけたんじゃないかとちょっと思いましたね。
つい私も「俺の中の品川」について想いを馳せたりした次第です。
品川については私個人としては例の南キャン山ちゃんのいじめ問題で
「こいつ本当に嫌なやつなんだな」という認識を抱くに至ったのですが、
(あの騒動については山ちゃんによる品川への報復成功という認識です)
その貪欲さは確かに芸人として認めてあげたい気持ちがあるのですよね。
私の中の品川庄司のベストパフォーマンスは10年くらい前の
爆笑オンエアバトルのチャンピオン大会か何かで披露された、
途中コンビ別れしそうなところを「ラブストーリーは突然に」がかかって
仲直りし、仲良し漫才を展開するというネタで。
同じネタをその後違う舞台でも見ましたが、オンバトで演じた時のが一番でしたね。
あれは演じる2人に途轍もない凄みがありました。
今回のアメトークをきっかけにまたあの頃のような漫才をやって欲しいものだと思いました。
しかし色々考えさせられる内容でしたね、今回のアメトーク