苺を潰す

そんなわけで「苺を潰す」@試聴室、無事終了しました。
ご来場下さった方々、どうもありがとうございました。
1、猫とくらす
2、タンスマウンテン
3、草原ヘッドフォン
4、サイクル曜日
5、カラフルなパラソル
6、マッチ擦る刹那のダンス
7、読みかけの夏
en、一人二役のスキップ


試聴室で演奏するのは初めてだったんですが、
独特な雰囲気を持った面白いお店でしたね。
他のスタジオやアトリエと共有スペースになっている不思議な作りで。
一応ドリンクも料理も出るんですが本や洋服やら色々な物を売っていて。
会場真ん中のでっかい本棚のセレクトや壁のレコードなどに店主の確かなセンスを感じた次第です。
私が会場に着いたらなぜかその店内で地元のおじちゃんたちがマジックショーを行っていて。
近所の子供たちやおじちゃんおばちゃんがわらわら集まってそれを鑑賞しており、
あれここ公民館か何かかしら?と思いながら見てたんですけどね。
途中タネがお客にばれて失笑を買うなどといったユルさ満点のマジックが繰り広げられており、
私はそれを見ながら今日は面白い一夜になりそうだと静かに確信したんですけどね。
そのマジックショーが終わったらステージにドラムなど運び込まれてリハが始まって。
会場の人に事前にfwjバンドの編成を伝えていなかったので
「あのーギター3本全部ラインなんですけど」
「あのーアイフォーンもラインなんですけど」
「あのーピアニカもラインなんですけど」
「グロッケンにもマイク欲しいんですけど」
と次から次へと使用機材を繰り出す我々にお店の方は
「ええっ?」
「ええっ?」
と戸惑いながらも「わかりましたー」と柔軟に対応して下さいました。
まさか7人もいるとは思わなかったのでしょう。
ステージが狭いのでギターリスト3人はステージ下で演奏という形になり。
いつもと違う形態での演奏と相成りました。


いつもステージ衣装に迷う私が「何着れば良いものか」と事前にあぐちゃんに相談したら
「メンバー全員ロックTシャツ着て出ようよ」ということになり。
ロックTシャツというと「めがです」だの「めたりか」だの黒いやつかと
己のワードローブ内にそんな黒い布があっただろうかと脳内検索するも出て来ず。
唯一見つかったのが昔受け狙いで購入した漫画「BECK」のTシャツで、
AC/DCのロゴを模したBE/CKという文字が入った(やはり)黒いシャツで、
以前これを着用してステージに上がったところ受け狙いどころかスベッたので
やっぱやめようかと思いつつもこれしかなかったのでそれを着用したんですけどね。
それを着て客前に登場したらお客さんとして見に来ていた大谷能生さんが
「五十嵐くんそのTシャツ何?」と本気の疑問を私に投げかけたので、
私は即座に「やべースベッた」と二度目の火傷を確信するに至ったのですが、
いまさら脱ぐわけにもいかずそのまま演奏を始めたのでした。
ちなみにドラムの横山夫妻は揃ってディア・フーフのTシャツで、
ギターのひじきさんはチューリップ、中村くんはウッドストック
鎌田さんは浅野達彦Tシャツであぐちゃんがレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンという、
脈絡も何もない感じでお客さんの反応も微妙だったので、
私は「やべースベッた」と三度目の火傷を身を以て実感したのですが、
まあこれを「いい想い出」ファイルにまとめてしまう前向きさを発揮するしかないと
割り切って演奏に臨んだのでした。
変な緊張に汗が滲みましたが、演奏はやりやすかったです。
冒頭の「タンスマウンテン」からぐいぐいといきました。
ドラム入りで初めて演奏した新曲2曲
「カラフルなパラソル」と「マッチ擦る刹那のダンス」も新鮮で愉しく出来ました。
事前にひじきさんが「『サイクル曜日』はお客さんに参加してもらおう」と
自転車のベルを仕込んでくれて。
それをひじきさんのお子さん2人がお客さんに配ってくれて、
みんなでベルをちりんちりん鳴らしながら一緒に演奏しました。
京急の通過音に、バンドの音に混じってお客さんの自転車ベルが響いておりました。
そのベル、よく見ると「五十嵐を寒がらせる会」というシールが貼ってあって(笑)。
私がよくブログでネタにしている架空の団体を実在のものにするべく
ひじきさんが仕込んでくれたのでした。
初めて我々を見たお客さんからしたら何のことやらだったでしょうが。
「寒いのはご本人のTシャツでは?」と思われたかもしれません。
(もしこのベルを欲しい方がいらっしゃいましたら次回のライブにお越し下さい。
「ベルちょーだい」と告げていただければお渡しします。
それと同時に五十嵐を寒がらせる会の会員として認定されてしまいますが・笑)
思いがけぬアンコールもありつつ(予想してなかったので驚きました)
何とか演奏を終えました。
我々の演奏はどのような「試聴」になったのでしょうか。



共演のイトケンさんと大島さん佳村さんのステージも面白かったですね。
イトケンさんと大島さんはリハ前に将棋など優雅に指しており。
我々がリハ終わりにご飯食べに行って戻って来てもまだ指しておりましたが。
(終演後もまだ指していた模様です)
そのイトケンさんのパフォーマンスは前回ご一緒した時はファニーな電子音ソロだったんですが、
今回は完全にノイズサウンドでした。
機械類をいじりノイズをループさせながらノイズを重ねていくイトケンさんの様子を
さっき将棋を指してた時と姿勢一緒やんと思いながら見ておりましたが、
理系の人ぽいノイズの作り方だなと思いました。
ノイズでもイトケンさんぽい音になるのですよね。
大島さん佳村さんはお互い声を出しながらそれをループさせたりオンオフしたり
それこそ将棋を指すみたいに声を配置し合ってひとつの歌世界を作っていて
そのやり取りが見ていて面白かったですね。
(大島さんがわんわん言ってたのが妙に印象に残りました)
今回タイトルの「苺を潰す」は私が成り行きで命名したんですが、
あえて苺を潰すような表現をしている人たちという意味合いでは
この2組の表現はまさしく苺潰しな印象を抱きました。
ちなみにイトケンさんがKISSのTシャツを着ていたのは
我々の「ロックTシャツを着る」というコンセプトに一緒に乗っかってくれたのです。
それについて言及し忘れたのでただイトケンさんがKISS好きみたいな感じになってましたが。
イトケンさんは「つい他のロックTシャツ買いたくなっちゃったよー」と言っておりましたが、
うちのメンバーも「かっこいいロックTシャツ欲しくなったなあ」と言っていたので、
この企画、また実現するかもしれません。
私のBECKはもう永遠に抹殺していただくということでよろしくお願いしたいですが。


終演後は近所の酒房ぴーというお店に出演者、関係者集まり打ち上げました。
今回のライブを主催してくれたTさんがこの店の常連さんで、
大島さんや大谷さんも常連なんだそうで。
私は何度か下段さんに連れて行ってもらった縁でここの店主さんと顔見知りだったんですが。
そういう意味では今回のライブはこのお店が縁で実現したようなものかもしれません。
ここでひとしきり打ち上がりました。
その後大谷さんに「もう1軒行こうよ」と誘われ下段さんと共に大谷さん行きつけの中華屋に赴き、
さらにディープな黄金町の夜を満喫しました。
非常に濃厚な一日だったと言わざるを得ません。
帰りはヘロヘロでしたけどね。
試聴室での「苺を潰す」とても刺激的で楽しかったです。
ぜひまたここで演奏したいものです。
その時の私はきっとかっこいいロックTシャツを華麗に着用していることでしょう。
おそらく。