ムーンライトに揺られて

昨日は相対性理論のライブを見にZEPPまで足を運びました。
前回に続きイトケンさんにお誘いいただいたのです。
前回は突然のメンバー脱退などで波乱の新編成という印象でしたが、
今回はもう今後このメンバーでライブを展開していくという道筋が見えていた感じでしたね。
新曲もたくさん演奏されてました。
イトケンさんはドラム叩いたり小物鳴らしたり鍵盤弾いたりと
あなたどんだけ働くんですかというくらいの活躍っぷりでした。
(「ふしぎデカルト」のイントロには「おっ」と思いました)
もう一方のドラムの人は堅い音質で演奏も凄いタイトだったんですが、
それにイトケンさんが絡むと柔らかくなるというか、
リズムに表情が出てとてもいいアンサンブルになるのですよね。
(ちょっとサンバぽい味付けとか良かったですね)
ベースの人は普通に巧いし、バンドってリズム隊で決まるなと改めて思った次第です。
初期メンバーによるインディーバンド然としたスカスカの演奏も好きでしたけどね。
やくしまる嬢の佇まいとMCと歌唱は相変わらずのクオリティーでした。
ももクロZ女戦争」のセルフカバーは初めて聞きましたが、
原曲のサイズと全く一緒のものをバンド編成で再現しててかっこよかったですね。
あの組曲みたいな構成、演奏する方は大変だと思うんですが。
(やくしまる嬢の滑舌も凄いなと思いましたが)
しかし何よりも新曲がどれも良かったですね。
「私のフィアンセ〜」みたいな歌詞の変拍子のアヴァンポップとか、
「そちらの暮らしはどうだい?」みたいな歌詞のフォーキーなラップとか
(あれスチャダラとかフィッシュマンズとかの系譜なんだなという印象を受けました)
「とまらない〜」のリフレインが印象的な切ない曲とか。
もうその場で「これらの曲入ってるアルバム欲しいわ」と思いましたからね。
最後ミラーボールの回る「ムーンライト銀河」で終わるセットも良かったですね。
(あの曲の冒頭のインプロぽい演奏の音処理にZAK氏ぽさを感じました。
もっとダビーなの聞きたいと思いましたが)
メンバー半分抜けたら崩れそうなものをこの強力なリズム隊を引き入れて
ポップにアヴァンにインプロに歌謡に展開するこのユニット、
なかなかにタフでしたたかでかっこいいのではないかと再認識した次第です。


共演のサーストン・ムーアの新バンドもかっこよかったですね。
クリーントーンも歪みの音も野太くて凄くいい音でした。
フィードバックノイズもリフアルペジオも。
ああいうの聞くと自分もエレキをかき鳴らしたくなりますね。


やくしまる嬢の追っかけを専門としているドラマー臺太郎氏ですが、
「今日は来てなかったのかな〜」と思ってドアを開けたら
喫煙スペースでしゃがみこんで一服している臺さんと目が合い。
「やっぱり来てたんだね」「そりゃ来ますよ」と、
相対性理論のライブ会場に臺太郎在りを再確認した次第です。
「良かったよね〜」と真っ白に燃え尽きた矢吹ジョーのようにぐったりとしつつも
満足げにしていた臺さんでした。
その後彼はライターの土佐くんと共に楽屋に挨拶に行ったそうです。
(私はすぐに帰ったんですが)
土佐くん情報によると彼は由比ケ浜で拾った貝殻をやくしまるさんに見せていたそうです。
(「LOVEずっきゅん」の歌詞にちなんでいるのです)
やくしまるさんは「臺さんが旅に出たくなるような曲を作らなきゃね」と応えていたとのこと。
何ともいい雰囲気というかピースフルな関係性じゃありませんか。
由比ケ浜まで貝殻を拾いに行ってそれを見せるという臺さんのピュアな乙女心に
私はちょっと胸キュンしてしまいました。
乙女心言うても40過ぎたおっさんですけどね。
彼とやくしまるさんの今後を温かく見守りたく思った私です。


同じく会場に見に来ていた山田氏に新作のクリスマスアルバムをいただきました。
(12月のライブではこのアルバムの曲も演奏するようですよ)
もうそんな季節なんだなと思いながら、お台場のイルミネーションを眺めながら帰った私です。
もう冬の足音が聞こえ始めているようです。