マクドナルドとジョン・ケージ

1月も1週間を過ぎてしまいました。
あっという間です。
池袋での催事を終えて次は大宮そごうでの催事へと続いています。
まだまだ慌ただしい日々なのです。
録画したお笑い番組が膨大に溜まっているのですが、
いつになったら消化出来るのでしょうか。


最近ツイッターで知って冗談かと思っていた
マクドナルドの60秒キャンペーンが本当に実地されていると知り、
数年ぶりに行って確かめてやろうかしらと思ったほどなんですが
(思うだけで行かないですが)
あれはどういう経緯から始まったものなんでしょうか。
そんなに普段から「出てくるのが遅い」というクレームが多いのでしょうか。
みんなそんなに1分1秒を争って急いでハンバーガーを食べたいのでしょうか。
1分以上待つと死ぬ病気にでも罹っているのでしょうか。
ならばいっそ死んでしまっては如何かと思うのは私だけなんでしょうか。
そんなに急いでいるなら駅の立ち食い蕎麦を掻っ食らうか、
カロリーメイト的なものをさくっと食べれば済むものを。
ハンバーガーとポテトとドリンクのセットを食べるのって結構時間かかると思うんですけどね。
あれは回転率を上げて売り上げを伸ばしたい店側の都合だけであって
1分を待てない客などいないと思うんですけどね。
「1分過ぎても優雅に待つよ、待つ時間も調味料って言うだろ?
あ、その前にきみのスマイルだけ先にくれないか。そうだそれでいい。」
と店員にウィンクしながら気障に待ってみたい私がいますが。
(思うだけでしないですが)
そもそも急いでいるなら混んでるマクドナルドなんかに行くなと助言を差し上げたいです。


ジョン・ケージの作品に「4分33秒」というのがありますが、
ピアノの蓋を開けて4分33秒何もしないんですね。
その間に聞こえる静寂や物音が音楽として立ち上がってくるという作品なんですが、
マクドナルドの60秒キャンペーンを知って思い出したのそれなんですよね。
時間をまず区切るところから始まるという。
マクドナルド店頭で注文してから60秒、
ハンバーガーが出てくるまでを録音すれば「マクドナルドの60秒」という作品になりそうです。
全商品を録音して繋げれば組曲みたいになるでしょう。
1曲は60秒と決まっているのだからわかりやすいです。
よく将棋の中継などで時間を読み上げる人が無機質なトーンで
「10びょうー」「20びょうー」「30びょうー」と時を刻んでいますが、
マクドナルドはあの人たちを導入すると良いですね。
ハンバーガーを作りながら「うわ、あと20秒だ、間に合うか、俺よ!」と
秒刻みの戦いの目安になりそうです。
しかしそこまでいくとハンバーガーを作っているのか60秒という時間を作っているのか
よくわからなくなりそうですね。
私が今包んでいるのはパン?それとも1分という時間?
これをいくつ積み重ねると時給分になるの?
私は時間に支配されたロボットなの?
1分を大量生産し続ける戦いに疲弊しそうな気がします。
いっそ注文してから4分33秒待つくらいの気概を持ちたいと思う私がいます。
1分で出て来ても無視です。
もしくは注文して出て来たビックマックの蓋を開けて4分33秒何もしないとか。
折角1分で作ってくれたハンバーガーを4分33秒放置し、劣化させるという。
そこまで来ると何の目的なのかわからなくなりますが。
そんなに生き急ぐなよ、とマクドナルドの肩をぽんとたたいてやりたいです。
どこが肩かはわかりませんが。