私、R-1ぐらんぷりを鑑賞

今年のR-1ぐらんぷりはかつてのバカリズムの「都道府県の持ち方」とか、
佐久間一行の「井戸のおばけ」みたいな革新的なネタもなく、
全体的に小粒というか、端的に言うとそれほど面白くなかったんですが、
一応感想をざっと書いてみます。
まあ誰に頼まれてるわけでもないので書かなくても良いんですが。


岸学はダイエットマンによる唐揚げとの格闘というネタでしたが、
トップとしては今ひとつ盛り上がりに欠けたかなと。
「そう、旅は続く」のくだりは好きでしたけどね。
ネタ前の「ジャック・バウワーの貯金がないんだ」のコメントが一番面白かったです。
相方は構成作家として活躍中ですが、助言とかはあったんでしょうか。


三浦マイルドの1本目は広島弁講座というネタでしたが、
まあまあ面白かったですね。
「宗教4つ入ってるんだ」とか「推薦校落ちたんだ」とか、
後半文章でボケるくだりが良かったです。
字体と喋りのメリハリがきちんとあって喋りは巧いと思いました。


ヤナギブソンは今回もしっかり構築されたネタで、
パーセンテージでボケるというアイデアは良かったし、
パーセンテージにパーセンテージを被せるところも巧かったですが、
いかんせん爆笑どころがなかったというか、くすっとする程度だったのが惜しかったですね。


プラスマイナス岩橋は独特なキャラを活かした持ちギャグのオンパレードでしたが、
これも爆発どころがなかったような気が。
エグザイルが歌いそうな歌のくだりは良かったですけどね。
彼の場合ピンよりもMCや相方が横にいてツッコミしてあげた方が活きるんじゃないかと思いました。


ヒューマン中村は相変わらず完成度の高いフリップ芸で面白かったですね。
「かんたんログイン」「スーパーの総菜」も良かったですが、
国分太一」には笑いました。
何気ない言葉に別な意味を与える着眼点は良いですよね。


三遊亭こうもりは都々逸ネタでしたが、
普通に巧いこと言ってるだけでしたね。
まあそれも実際言うほど巧くなかったですけどね。
彼は普段ラジオで大竹まことにいじられてる方がまだ面白いと思うんですが。


田上よしえは昔オンバトでもやっていた往年のバーテンダーネタでしたが、
内容は2013年版になっていて面白かったですし、切れ味もありましたね。
彼女にはこれを機会にぜひブレイクして欲しいものです。
ヒューマン中村と違うブロックだったら最終まで残ったはずなんですけどね。
惜しかったです。


桂三度は確かに落語マナーの喋りでしたけど、
世界のナベアツのピンネタという感じでしたね。
あえて落語家になる意味あったのかとも思ってしまうんですが。
独特な言葉ネタでなかなか面白かったですけどね。
最後の寿限無のオチも決まってたし。
しかしネタの世界観に入るのが急過ぎてみんなついて来れなかったんじゃないですかね。
これ3分じゃなくてもっと時間じっくりかければ面白かったと思うんですが。
結局小道具のキャスター付きの高座が一番印象に残ったという感じですかね。


キンタロー。はもうすでに売れているし、色々なところで見ているので
早くも新鮮味がないというのが逆に凄いですよね。すでに次の展開を見たい段階です。



スギちゃんはワイルドの仕分けというネタでしたが、
意外にも結構受けてましたね。
キンタロー。と付き合っちゃえば良いのにという板尾のコメントが面白かったです。
あとスギちゃんが結構返しのコメント上手になってて笑いました。



アンドーひであきはお笑いというよりパフォーマンスといった感じでしたが、
確かに動きは素晴らしかったですね。
千原ジュニアフルポン村上を入れた辺りが新鮮だったですし、
爆笑太田をツカミにしたのも良かったと思います。


雷ジャクソン高本自衛隊ネタでまあまあでしたね。
狙撃というボケの差し込みどころをもっと工夫した方が良いかと思いましたが。


三浦マイルドの2本目はひと言ネタによるダメ人間描写でしたが、
もっとどかんと来る強烈なボケがあれば良いのにと思いました。
「5万貸して」とか普通じゃんと思ってしまいましたし。
「さらに3万貸して」も言うんだろうなーくらいな感じですし。
免許ないのに運転するのを「ミッション」というボケも弱いし。
もっと西岡さんの人生の背景が垣間見えるような深い台詞を言って欲しかったなと。
そもそもこれはダメ人間あるあるなのか、
西岡さんのしょうもなさを笑うネタなのか、
中川家礼二のようにキャラをコミカルに落とし込んで演じるでもないし、
どこに着地しているネタなのかよくわからなかったですね。
審査員による「哀愁がある」みたいな評がありましたが、
私には哀愁も風情もユーモアも毒気も全部中途半端な印象を受けました。
西岡さんのキャラの描写が浅いんですよね。
あとこの人はレッドカーペットでザ・たっちとコラボすれば良いですね。


ヒューマン中村の2本目はしりとりを使ったネタで、
こちらもなかなか面白かったですね。
「生理的に無理」「理論上は可能」は名フレーズとして
R-1の記録に残ったんじゃないかと思います。
この人の才能はもっと脚光を浴びても良いと思うんですが。


アンドーひであきの2本目はパフォーマンス色が強くなってしまって、
笑うというよりもその見事な技術に感心してしまった感じですかね。
確かに素晴らしかったですけどね。


結果的に優勝は三浦マイルドでしたが、
もっとヒューマンに入れる人いても良いのにと思いましたけどね。
私としては田上よしえに2本目のネタをやって欲しかったですけどね。
番組としてはゲストの多部未華子の正直過ぎるリアクションと芹那の脚線美が見どころだったのかなと。


まあ来年に期待という感じですかね。