新しい青の時代

そんなわけで山田稔明ワンマン「夜の科学」無事終了しました。
ご来場下さった方々、どうもありがとうございました。
満員御礼、大盛況でした。
この日は新譜「新しい青の時代」先行発売日ということで。
我々メンバーもこの日初めてパッケージを見て「おお」と息を漏らし、
中ジャケを見てさらに「おお〜」と息を漏らしました。
福田利之さんによる入魂のアートワークはぜひ実物をご覧いただきたく思います。)
この間のツアーで3公演もやったので直前のスタジオリハはせず、
久々にやる曲だけ当日合わせたんですが、案外すんなり進みましたね。
安宅さんは前回のクラリネットデビューに加え今回グランドピアノも弾くということで、
どんだけマルチやねんと改めて思ったわけですが、
リハでこそ多少つまづいていたものの、本番でばっちり決めたので「お父さん、流石ね!」と感心した次第です。


今回はアルバムタイトルに因んで「何か青い物を身につけて来るべし」というお達しが山田氏からあったので、
果て青い物が何かあっただろうか、私自身未だ青臭い青二才風情である故、
「僕の存在が青です!」というわけにもいかないだろうかなどと空を見やれば晴れて大変に青く、
思わず「あおーいーそらのーましたーでー」と、
ブルーハーツの「青空」を口ずさんだりしたのですが、
そんなことをしていると遅刻をしてしまうぞと急いでワードローブを漁り、
結果空よりも濃い色合いの青いカーディガンを着用するに至ったのですが、
この日はメンバーの青い物チョイスにもそれぞれの嗜好が表れていて面白かったですね。
イトケンさんと山田氏は同じ水色系のシャツをチョイスしながら、
イトケンさんの方は「俺は水色だっ!」という感じの蛍光の強い発色で、
山田氏のは「あ、わたし水色なんです〜」という感じの淡い水色で。
(このニュアンスわかりますかね。)
他のメンバーは落ち着いた青系シャツで。
どうやらこの日のドレスコードは青ですよとお客さんにもお達しがあったようで、
みなさんそれぞれのブルーをどこかしらに身につけていて、
ステージ上から見たら客席が青い海のようであり空のようであり、何だか素敵な眺めでしたね。
山田氏が「魚になった気分だよ」とフィッシュマンズの歌詞をMCで口にしておりましたが、
まさに海の中に旋律を投げ込むような感じの演奏になりました。
みなさんも水中で揺られているかのようにゆらゆらしながら聞いていて楽しそうでしたね。
この日は先日のツアーの話など挟みつつ、アルバムの収録曲を全て演奏しまして。
安宅さんがピアノを弾いた「月あかりのナイトスイミング」は
まさしく水中から月あかりを眺めるかのような幻想的な雰囲気でとても印象的でした。
他の曲たちも「あーこれ野外フェスでやったなあ」などと
個人的にツアーを反芻しながらあの日の青い雨模様を思い出したりしました。


この日はアルバム完成をお客さんの前で披露ということで、
私が山田氏に贈った「ポチが達磨を抱いた招き猫」が飾られ、
その達磨に山田氏が目を入れて「完成〜」というセレモニー的なくだりがあったのですが、
その目がどうも雑に描かれたらしく、
終演後写真を撮っていたお客さんに「何かこの目雑じゃない?」
「山田さんもっと綺麗に描けば良いのに」と冷静に駄目出しされていたので(笑)、
後で山田氏には軽く修正して欲しいものだと思った次第です。
(まあそれが味なんですけどね)
この招き猫、最初山田氏から「いやー深大寺の達磨に目を入れようと思って」と言われて、
私が達磨を作っているのを知りながら他所の達磨を使うとは何ごとかと憤慨し、
「いや、達磨なら私が作りますよ!」と申し出ると
「いやー招き猫が達磨を抱いてる可愛いやつがあるんだよねー」とさらに言うので、
「いや、それならこっちはポチ仕様の招き猫で作りまっせ!こっちの方が100倍可愛いでっせっ!」
と私もさらにムキになり、結果私がオリジナル猫を作って贈ることになったのですが、
こんなことでムキになるというのも我ながら青いぜと思いつつも、
アルバム完成をこういう形でも祝えて良かったなと思った次第です。
猫といえばこの間のツアーでも大評判だった音に合わせて動く猫のぬいぐるみのブルーくんですが、
今回も一番の受けを獲得しておりました。
お客さんの手拍子やMCの言葉にもいちいち反応しダンスをする様はキュートかつイノセントで、
その名演技はまさにブルーリボン賞ものだったと言えるでしょう。
最後アンコールのハミングバード前にはツアー時と同じく
「ああ、もう終わっちゃうのかあ」と名残惜しくなりましたが、
お客さんも同じ思いだったんじゃないでしょうか。
充実の2時間強のステージでした。


終演後はディランの「ブルーにこんがらがって」がかかる中、
ツアー時と同じく私が物販に立ちTシャツを売ったのですが、
ブルーのMサイズが売り切れるなど、多少貢献出来たような気がします。
(物販にいるとお客さんと会話も出来て楽しいのですよね)
それから撤収をし、打ち上げで以前も行った店に移動することになったのですが、
その店では過去2度スリムクラブの真栄田さんに遭遇しており、
「今回も遭遇したら面白いね」などと話をしながら店に入ると果たして真栄田さんがそこにいて(笑)、
「遭遇率100パーセントじゃん!」と驚きながらライブの打ち上げを行ったのでした。
そこではアンケートなど見つつ反省しつつ、
次回スターパインズカフェでのライブではああしようこうしようと
みんなで青写真を描きながらビールなど美味しくいただいたのでした。
その模様は見ようによっては青春の様相であったかもしれません。
アラフォーのおじさんたちですが(エビちゃんだけ若者ですが)、
青春然としていても良いんじゃなくって?
だって新しい青の時代だもの、と思いつつ打ち上げから帰路に着いた私です。
帰り道の信号は勿論すべて「進め」でした。
青に満ちた一日でしたが、楽しかったです。
みなさんお疲れさまでしたということで。

新しい青の時代

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