札幌デイズ4

札幌から帰還し、気が付いたらもう7月も後半に突入しているわけです。
もう完全に夏なわけです。
早いのです。
早過ぎるのです。


札幌では10数年振りに会う人や初対面の人や普段から会ってる人など、
様々な時間軸の人たちと会って食事する機会を得ましたが、
普段暮らしているところから遠く離れた場所で会うと場所も含めてその記憶に残るもので、
私は札幌を思い出す度に今回会った人たちのことを思い出すのでしょう。
食べ物も含め色々な思い出を残すことが出来ました。


札幌ではだいたい誰かと一緒でしたが勿論単独行動もしていて、
朝早く起きて30分ほど歩いて、すすき野の先にある中島公園というところを散歩したりしました。
朝の時間帯はとても涼しく、心なしか東京よりも空気が美味しく感じられ、
朝からボートに乗る老人を眺めたり(朝のにこそ味わえる醍醐味があるのかもしれません、例えば湖面の輝きとか)、
カラスが小さな虫を捕まえる瞬間を目の当たりにしたり、
紫陽花の色合いを写真に収めたりなどして楽しみました。
(こっちではちょうど紫陽花が見頃でした)
公園を歩くだけで楽しいという感覚は昔だったらおじいちゃんかよと否定していたことでしょうが、
今となっては公園を歩くだけで楽しめるなんてコストパフォーマンスが良いな自分、と
肯定的に捉えて吹けない口笛などを吹いてみたりくらいです。
ビバ公園てな感じです。
(勿論吹けないので口笛はすーすーと息の漏れる音となって北海道の空気に消えるわけですが)
朝のすすき野の街は前の晩の残り香のようにふらふらと漂うホストくんやドレッシーな女性たち、
ゴミを漁るカラスなどの姿が露になり、繁華街独特の哀愁を感じさせるわけですが、
そこを越えると路面電車の走る懐かしい光景があり、斯様な静かな公園が広がっているという、
何とも不思議な感覚を覚える街でした。
札幌は京都の街みたいに碁盤状に構築されていて「南3西4」とか「南6西2」とか、
住所がわかり易いので歩いていても迷子にならないのですが、
(それでも迷子になる人はなるんでしょうが)
このような街の形状に慣れた人が複雑な作りの街に行くと、
途端に道に迷うのではないかと推測するんですがどうなんでしょうか。
札幌から他所へ移った郵便屋さんは新しい地形の癖を把握するまで大変だろうなと
なぜか郵便屋さんの苦労に想いを馳せたりした次第です。
(郵便屋さんの転勤とかって日常あるんですかね)



しかし私が印象に残ったのは東京にある店がたくさんあるなということで、
見覚えのあるチェーン店は大抵存在するのですよね。
まあこれは札幌に限ったことではないですが。
マクドナルドだのユニクロだの吉野家だの。
(札幌にはまんだらけとかとらのあなとか、オタク系のお店が多かったのが印象的でした)
だいたい仕事で地方に行くと繁華街辺りのホテルに泊まるわけですが、
周辺にはそういうチェーン系の店とコンビニが数多並んでいるので、
東京に居るのとあまり変わりがないのですよね。
私はコンビニで買うのが嫌なので地元のスーパーとかないかなあといつも探るんですが、
あっても車で走らないと行けないところにあったりするのですよね。
今回は幸いなことにこの土地ならではのお店などに行けたし、
この土地の人たちに会えたわけですが、
何も調べず歩きもせずぼんやりとしているとどこに行っても同じ生活になってしまうわけです。
(夜とか朝とか結局コンビニで買った飲み物とか食べ物を摂っているわけですが)
自ら積極的にコミットしていかないと地方独自の文化やお店に至らないというのは
まあ仕方ないことなんでしょうかね。
見慣れてて便利だからいつもと同じところを利用しちゃうみたいな、
そんなのは旅先では避けたいと思いつつも松屋の朝食セットとかわしわし食べている自分が居て、
札幌に悪いなあなどと思ったりしたんですけどね。
(札幌にある松屋を利用しているのだから札幌に悪いというわけではないんですけどね)
まああちこち旅している身からしたらいつもあるお店が全国にあると便利という側面もあるんですが。
日本でマクドナルドのない街に行ったことがほとんどないというのはどういうことなのかと思いつつ、
札幌の街をそぞろ歩きした私です。