夏の端くれ

気が付けばもう7月も終わりに近付いているわけです。
子供たちも夏休みに突入したわけです。
本当に早いものです。
蝉も鳴き始めましたし、そこかしこで扇風機にあ〜と言う声が聞こえ出しました。
ゲリラ豪雨も本当にゲリラ的にやって来ますし、
先日は大きな花火大会をも台無しにしてしまいました。
あの花火大会を襲ったゲリラ豪雨によってそれこそゲリラ的に結ばれてしまった
カップルが多数いたんじゃないかと思うんですがどうなんでしょうか。
「濡れた浴衣の肩」と韻を踏んだフレーズを今思いついたんですが、
そんな肩を抱く勇気を湧かせる力が実はあるんじゃないかと思ったりします、ゲリラ豪雨
まあそんな余裕ないくらい強く降られたら本当に困りものですけどね、あいつは。
特に傘がない時などは。
井上陽水の「傘がない」を心の内に歌わざるを得ません。
あの歌は出だしが「都会では自殺する若者が増えている」なのであまりいい気持ちがしませんけどね。
突然の豪雨というのも今後普通に夏の風情として定着してしまうのでしょうか。



この頃は相変わらず何やかんやと忙しい感じなんですが、
最近は朝早く起きてレコーディング作業を行うという朝型生活サイクルを試みています。
何故なら仕事終わって家に帰って夜に酒でも飲んでしまうともう使い物にならなくなってしまうからであり、
さあ作業しようとPCを広げるも気が付けば船を漕いでいるなんて始末で、
船を漕いでどこか遠く広い海原に旅立てれば良いのですが、
大抵はこじんまりとした水たまりをぷかぷかと浮いているだけなのであり、
そんな体たらくであるならいっそぐっすり寝てしまえばよろし、と思いそのまま寝てしまい、
次の朝に起きて作業を集中して行うという作戦を遂行するに至ったのです。
夏の朝はまだ暑さも本調子ではなく、眠い目を擦りながら「うーんむにゃむにゃ」くらいな感じなので、
その隙にえいやっと作業をするぞというわけです。
朝から大きい音は出せないので波形を編集するくらいですけどね。
ちまちまとPCに向かいながら波形をいじっていると蝉の声がヘッドフォン越しに聞こえ、
これもまた風情なのであろうかとぬるい茶を啜ったりしているこの頃です。
まああれやこれややったけど全部リセットとか、
あれやこれやフレーズ考えたけど全部やり直しとか、
果て今の時間何だったんだろうと人生を考えてしまうことも多々あり、
アルバムが完成するのは一体いつになるのであろうかと未来カレンダーを見やるわけですが、
蝉もああやって全力で鳴いていることだし、私も鳴かねばなるまいと透明な羽を震わせています。


先日は宮崎駿監督の「風立ちぬ」を鑑賞し、その感想でもここにつらつらと書こうと思ったのですが、
長くなりそうだし書くの大変そうだなあと思っているうちに更新が遅れ、
結局またいつものどうということでもない駄文を書くに至っているわけですが、
この夏の印象は風立ちぬだなあというくらい心に残りました、あの映画。
今でも場面場面を反芻して心震えています。
クリエイターとしてあの才能と並べるなどというのはおこがまし過ぎるのですが、
私も物を作る人間の端くれとして背筋の伸びる思いがしました。
またどこかのタイミングで語ろうかと思っています。


夏は短いようで長いようで短いので、何かしらのことをしたいし、
何かしらの物を残したいものだと決意などしながら扇風機の前であ〜と言ったりしています。
あ〜。