あさってよりも長い未来

日々秋の気配が濃厚になり、虫の音と涼しい夜風に夏の終焉を実感し、
一抹の寂しさなど感じつつ9月のほとりを歩いています。
もう今月も半分過ぎてしまうのかとカレンダーをぼんやり見やりながら。
みなさんはいかがお過ごしなんでしょうか。


「オリンピック開催地が東京に決定」なる浮かれた報道を耳に目にしながら、
汚染水コントロールとか言っちゃってるけど大丈夫なのか、
原発事故の処理と復興が優先ではないのか、
莫大な予算費やして本当に経済効果があるのか、
その年三波春夫に代わって東京五輪音頭を歌うのは誰なのか、
などとぼんやり思いを巡らせている次第ですが、
2020年てあなた、平成で言うところの33年なわけで、
間の7年という月日があればピッカピカの小学1年生が中2病を患うくらいまで成長するわけで、
「ママ〜抱っこ〜」とか言ってた子が「うっせえババア!」とか口にするまでの長さなのであり、
そんな未来のこと想像もつかないし、
自分がどこで何をしているか明言も出来ないわけで、
「何も言えねえ〜」とその微妙に長い月日に想いを馳せるしか術がない状態です。
平穏な日々が永遠に続くわけではないという気持ちも震災後心のどこかにあり、
自分の7年後も想像出来ない世界に生きているわけだなあと
しみじみ思いながらビールなど飲んでおる次第です。


滝川クリステル女史の「おもてなし」なる流行語大賞候補にいきなり滑り込んで来たワードは何なのか、
そのプレゼンの様子を直接見てはいないのですが、
あれを表記する時に「お・も・て・な・し」といちいちナカグロを入れて報じている記事を見て、
私は即座に忌野清志郎坂本龍一によるヒット曲「い・け・な・いルージュ・マジック」を思い出したのですが、
あれはなぜ「いけないルージュ・マジック」と素直に表記しなかったのかというと、
「いけない」という当時若者の間で「クール」という良い意味で用いられていた否定語が
本当に悪い意味での「いけない」だと誤解されるのを避けるために
「い・け・な・い」とあえて強調したという経緯があったらしいですね。
あの曲は資生堂のCMソングでしたからね。
資生堂の商品が「いけない」と思われてはいけないと上層部は心配したのでしょう。
今で言う「ヤバい」みたいな雰囲気なんでしょうか。
良い意味でも悪い意味でも「ヤバい」は機能しちゃいますからね。
なんていうトリビアをさらっと披露してみたりする私ですが、
「おもてなし」が悪い意味として認識されぬよう「お・も・て・な・し」と表記したのであれば
その判断を評価したい次第です。
決まった以上おもてなししたいですけどね、日本人としては。
おもてなさないよりかは。
滝川クリステル小沢征悦と結婚すれば小沢健二と親戚になるのかあ、
彼女のような才媛が嫁に来るとは小沢家の血筋半端ねえなあなどと、
実にゲーセワな関心がまず湧くような私ですが、
7年後の未来はよくわからないけど希望だけは持っておこうなどと思ったりしています。
7年前はfwjは確か「林檎にタッチ」というアルバムを制作している時期でしたが、
当時とはバンドメンバーもがらっと変わりましたし、
当時普通に客として見に行っていた山田氏のバンドで現在演奏しているとは夢にも思いませんでした。
7年後も音楽は続けているのだろうし、こうして駄文を連ねてへらへらしているのでしょうが、
緩やかに変化があるのだろうなと思ったりしています。
まあ今のところあさってくらいの未来の話しか出来ないですけどね。
7年後などという途方もない未来よりかは。


取りあえず今の足元をしっかり見つめないとなあという
気持ちで汚れた己のスニーカーを見やり、
夏と秋の狭間で歩みを進めています。