微熱クガツ

9月も半ばを過ぎ、台風も残暑も去り、
秋らしい過ごし易い空気になりました。
1年中このような気候であれば良いのにと思いつつ、
身軽な格好で柔らかな陽の光など浴びていたら朝晩など急に肌寒くなり、
やべー五十嵐を寒がらせる会の活動始まっちゃったよう〜と身を縮こませるも、
何故か電車内は未だ残暑気分で冷房などかかっており、
うわー電車内にも寒がらせる会の会員が乗ってるよう〜と
車内でぶるぶる震えるなどしているうちに何やら風邪っぽい症状に見舞われ、
喉が痛いなんて状況になり、
季節の変わり目に風邪を引くなんてベタな状況に陥りながら
セプテンバーを過ごしているこの頃です。
今の時期に冷房をかけている電車は阿保としか言いようありません。
すぐにでも廃車を要求したい所存です。


しかしキャッチコールドとはよく言ったもので
掴んじゃうというか掴まれてしまう風邪という存在ですが、
風邪を引かない身体を得られるならもう全財産を投げ打ってでも良い、
病院に行ったり薬買ったりの費用や休んで働けない分の賃金など、
人生分かかるお金をペイ出来るならそれも辞さないぜと
札束をひらひら風になびかせ頬をビンタしながら
風邪の輩と取引きしたい衝動に駆られるのですが、
奴はなびかないのですよね。金如きには。
奴の目的は如何に人の能力を低下させ不快な思いをさせるかですからね。
本当にいけすかない輩です、風邪というやつは。


身体のどこかに「風邪」「健康」の2つのスイッチがあり、
カチカチと回して風邪から即健康状態に変更出来るのなら簡単なのですが、
人の身体というものはそんな簡単なものではなく、
風邪と健康の間を微妙にゆらゆらと針を振らしながら進んでゆくもので、
健康の方へちょっと振れて「あ、治ったかな」と思うと
また風邪の方へぐいーんと針が振れたりして調子が悪くなったりするのであり、
「んもう何なのっ!」とつい地団駄を踏み踏みしてしまうわけなんですが、
何しろ時間をかけないといけないのですよね。
風邪との別れ方に於いては。
紙切れ1枚でお別れ出来るなら実に簡単ですが。
(まあそれも簡単ではないのでしょうが)
風邪との離婚届けに書名捺印し、
役所で受理されたら晴れて健康というシステムが導入されれば、
早速書類を貰いに役所へ赴くところですが。
しつこい咳や高熱、身体の節々を痛めるなどのドメスティックバイオレンス
頭をぼ〜とさせ意識を持ち去る窃盗や盗聴、
ぶり返しという名のストーカー行為。
私ようやくこの離婚届けで彼と別れることが出来るんです、てな感じで。


風邪対策に市販の薬を飲むもあんなものはいざ引いちゃったら効かないし、
栄養ドリンクなんてのもどんだけ効果があるのかよくわからないですしね。
奮発して1000円くらいのものを飲んでも本当に1000円分効いているのか、
それこそ「1000円分効きました」という
然るべき識者の証明書を持って来いとグレたくなるのですが、
本当に効くんでしょうかね、ああいう類いは。
1000円あれば安い焼酎4杯くらいはいけるわけで、
そんだけくいっと飲めばもう確実に酔っ払うわけで、
1000円分の栄養ドリンクもそのくらい明確に効いて欲しいと思うのは私の我儘なのでしょうか。
せんべろ酒場よろしくせんべろ栄養ドリンクみたいな形で。
お前の1000円を明確に証明せよとつい言いたくなってしまうのです。
「元気ハツラツぅ」とか「翼を授ける」なんて栄養ドリンク類も
本当に疲れてたらさほど効かないのだろうし、
「痛いの痛いの飛んでけ〜」とほぼ同等の効力ではないかと見込んでいるのですが、どうなんでしょうか。
まあそれで気分が良くなるなら良いし、
ある種のプラシーボ効果があるなら構わないんですけどね。


そんなこんな思いながら体温計をタクト代わりに指揮し、
交響曲を奏でながら微熱少年よろしく9月の空を眺めている私です。
栄養ドリンクをがぶ飲みしながら。