イノトモを聴く

先日は鎌倉molnにてイノトモさんのライブを鑑賞し。
変わらず魅力的なその歌声に癒されました。
イノトモさんとは9年前に一度イベントで共演しており。
渋谷にあったツインズよしはしというお店でfwjと2組で出たんですが。
その後そのお店はなくなり、イノトモさんともなかなか共演する機会がなく、
時は流れに流れたわけです。
しかしその後、今年になって山田氏のアルバムで音源上で共演を果たし
(録音は別々だったので会わなかったんですが)、
ついこの間はステージで一緒に演奏する機会に恵まれ。
実に9年越しの再会を果たしたのでした。
そこで久々に会ったイノトモさんは「久しぶり〜」と、
まるで3日振りに会うかのようなライトなテンションで私を迎えてくれ、
その変わらなさに驚いたんですけどね。
今回そんなイノトモさんの歌声をじっくり聞けるワンマンということで、
私は密かに楽しみにしておりました。
(別に密かにしなくても良いんですが)
今回私はリハの段階からPAのお手伝いをしたんですが、
まあ手伝い言うても最初のセッティングでバランス見て、
あとはイノトモさんが「どう?」と聞くので
「良いっすね」とか「ばっちしっすね」とか応えるくらいのライトな感じだったんですけどね。
イノトモさんは近所のスーパーに買い物に来ましたみたいなライトなテンションで店に来て、
聞けば午前中は息子さんの少年野球の試合を応援して来たとのことで、
実に生活に根付いた歌手活動をしておるなあと思ったのですが、
いざ歌い出せばそれはもう素晴らしい歌姫っぷりで。
リハの段階から私はもうすっかりしみじみしてしまったんですけどね。
イノトモさんはマイマイクを持ち込んでましたが、
囁くように静かに歌ったり、語りかけるように優しく歌ったりという歌唱が
きちんとアンプリファイドされていて聴きやすかったですね。
伴奏が彼女のギター1本というのも良かったですし、
会場の規模的にも彼女の家で聞いているかのような身近さがハマってたように思います。
会場はそんな彼女の歌に魅了されたお客さんで満員御礼で。
同世代の女性の方や意外(?)に男性ひとりで来てる方が多く。
彼女のお母さんとしての、ひとりの恋する女性としての、
表情豊かな歌声は母性に溢れつつ、
不思議と男の子のような快活な無邪気さもあり、
聞いていて私は色々な感情が涌き上がり、
うるうるさせられる場面が多数ありました。
客席でも泣いている方がチラホラ見られ。
その歌声がお客さんの心に伝わっていたようです。
デビュー15周年ということで過去の人気曲や、
勿論新譜からの曲など万遍なく歌い、
リクエストにも気軽に応えるなどとてもピースフルなステージでした。


終演後は彼女が「ワインでも飲みたい〜」と言うので、
飲みの誘いを断るわけがナッシングということで
ライブの感想など肴に白ワインなんぞ美味しくいただき打ち上がりました。
ワインをぐびぐび飲む姿はロックなお姉さんという風情で、
今さっき繊細な歌声を聞かせてた人には到底見えなかったのですが、
旦那さんとの出会いの話や子育ての話など
お酒と共に貴重なお話をたくさん聞けました。
凄く楽しいひと時でした。
彼女はこのライブの2日後に大きな会場での15周年記念ライブも控えていたんですが、
きっと息子の試合の応援に行くみたいなライトなテンションで出掛けて行ったのでしょう。
この身軽な感じがまた彼女の魅力だなと思った次第です。
近付く台風の雰囲気を感じながら電車に揺られて帰りました。
帰路に於いてはずっと彼女の歌声がリピートしておりました。
そしてそれは夢の中までも続いて。


また彼女の歌声を生で聴きたいものだなと思いながら新譜に耳を傾ける私です。
台風前夜の空気を思い出しながら。