吉祥寺交流

気が付けばもう10月も下旬になっておるわけで。
早いのです。
芸術の秋、読書の秋と洒落込む余裕もなく、
台風だなんだで秋の穏やかな天候を満喫する機会もなく、
バタバタとバタ足で泳いでいるうちにもう11月の姿が見え始めていました。
そうなるともう年末が見えて来るというわけです。
来年の話なんてしてると鬼が笑うんでしょうが、
もうそこかしこで笑い声が聞こえ始めています。
この時の流れの早さたるや。


ここ最近は吉祥寺での催しに通っていて、先日無事終えたのですが、
吉祥寺と言えば山田氏が住んでるので1回くらいご飯でもどうかと打診すると
「今日高橋徹也氏と飲むから同席しない?」と急に誘われ、
高橋氏と言えばこの間の山田バンドのライブで対バンさせていただき、
その独自のステージと佇まいに感銘を受けたばかりだったので「あ、行くっすー」と返事をし、
仕事後に指定されたハモニカ横丁鄙びた酒場に赴くと
細身のシンガー2人がすでに宴を始めていて。
お互い90年代にデビューしその後も活動を続けファンを獲得し続けているSSW2人の、
これまでの歩みや自身の創作活動の姿勢などを語り合うという場に
私は「へ〜」とか「なるほど〜」とか相槌を打つという聞き役みたいな感じで座り、
時折お互いを褒め合う2人の様子を見ながら
「付き合いたてのカップルかっ」などと心の内にツッコミを入れながら
飲めない高橋氏を横目にぐびぐびビールを飲んでしまったんですが、
山田氏の話も高橋氏の話も初めて聞くことも多くとても興味深い内容で、
私も聞きながら音楽家の端くれとして色々刺激を受けました。
音を作る上で様々なアプローチがあるのだなと。
高橋氏が宅録をしない人というのが意外な感じしましたね。
彼のレコーディングメンバーを聞いたら凄腕の方ばかりで
確かに家でひとりで録る必要ないのかもしれないですが。
密かに孤独に作ってそうなイメージもあったもので。
メジャー時代に手応えある作品を物にしながら大人の事情でそれが出なかったという話を聞いて、
こういう様々な事情で世に出てない名盤とか古今東西あるのだろうなと想いを馳せたりしました。
ストーンズファンの彼とこれまであまり聞いてなかった70年代後半のストーンズのアルバムが今聞くととても良いという話などで盛り上がりました。
(山田氏はジェイムス・テイラーの90年代のアルバムが今聞くととても良いという話をしておりました)
長年活動して作品を出していると高評価受けるものとそうでないものも生まれたりしますが、
時を経て聞くとしっくり来るなんてケースもあるわけで、
寝かして良くなるなんて漬け物みたいですが、
長く活動して作品を出し続けるというのは大事なことなんじゃないかと思った次第です。
そういう自分はここ数年録音物を出してないのでいい加減出さないとなあと尻尾に火が付いた次第です。
これまでも何度も火が付いているのでとっくに燃えてるんじゃないかという話ですが。
高橋氏は他ジャンルにも音楽に造詣が深く、楽しい談義が出来ました。
吉祥寺にたまたま仕事で来てタイミング良く参加出来て良かったです。
その後も催事最終日に打ち上げと称して山田氏と闇太郎という大衆酒場に繰り出し、
漫画家の江口寿史先生と遭遇するなどしつつ、
古本屋見たりレコード屋見たりすっかり吉祥寺を満喫した私です。
こうしてある街に一定期間通うというのは良いものです。
催事自体も忙しかったので少々くたびれましたが。
しかし10月はあっという間でした。
(まだ少しありますけど)
このまま年末まであっという間なんでしょうけどね。