ダンスはうまく踊れない

しかし連日寒いのです。
近頃の五十嵐を寒がらせる会の活動の活発さたるやどうしたことでしょう。
先日の大雪に続いてまた大雪とは。
被せて来るなあと感心してしまうほどです。
しかし雪にはしゃぐ童心五十嵐やロマンチックに浸るポエジー五十嵐も
この寒さを前にしては姿を現しませんね。
寒さに耐えるリアルなおじさん五十嵐がそこにいるだけです。
そしてぶるぶると震え身を縮こませているだけです。
米国では大寒波でマイナス30度だ40度だと報道されてますが、
そんな寒くて本当に地球は温暖化なのかと思いきやこの寒波も温暖化の影響なんだそうですね。
好き好きーという熱い想いが溢れて逆に冷たい態度を取ってしまうという、
恋に素直になれない女子みたいなアプローチなんでしょうか。
「え、俺のこと嫌いなのかよ〜」と離れようとすると
「んもう、違うの!私のこと全然わかってない!」とまた寒波が襲来みたいな。
温暖化ゆえに寒波という現象の面倒臭さに複雑な地球の乙女心を見るようで、
総じて優しくしてあげなくてはならないのであろう我々人類は、と思いを新たにする次第です。


大雪の度に過去自分が遭遇した大雪のシーンを回想してしまうのは
普段雪の少ない土地に暮らしているからでしょうが、
思い出す大雪の景色は大抵北国のそれなのですよね。
ライブをしに行った真冬の知床や、仕事で訪れた真冬の帯広、真冬の仙台などです。
仙台では激しい吹雪に見舞われ、その時の震えるような体感は今でも鮮明に思い出されます。
真冬の北国に行って毎回思うのはここにもし住んでたら大変だなあということと、
逃げるならやっぱり北国だなあということです。
人目から離れてひっそり暮らすなら雪に覆われた北国が最適だなと思ってしまうのですよね。
先日の大雪の日も家に籠って外に一歩も出ずに過ごしましたが、
このまま外の世界と接することなく冬眠するようにひっそり過ごすのも悪くないな、
なんて夢想してしまいました。
まあそんな雪の国で実際に毎日暮らすのは容易いことではないでしょうが。
現在の生活を捨てて逃げ隠れる土地が南の沖縄というのも本気度(?)が見えませんしね。
あったかい気候でめんそーれ〜では締まりません。
「夜逃げなう!沖縄の海さっいこう〜!」などと浮かれたツイートをしてしまいそうです。


冷たい雪の上をしゃくしゃくと歩きながら
「寒い〜辛い〜冬眠制度の導入はまだか〜」と
リアルなおじさん五十嵐をむきだしにしながら震えながら帰りましたが、
一方オリンピックではこの雪の上を軽快に滑り、跳び、踊り、輝いている人たちもいるわけで、
そう考えると人類も捨てたもんじゃないなと誇らしく思うと共に、
自分は冬に負けっぱなしの冬眠する側の生き物であるなあと敗北を認めざるを得ません。
彼の人たちの如く氷の上を華麗に踊りたいものですが、
実際には路上で滑らないよう足を踏ん張るだけの加齢でしかあり得ないという。
そんな雪深き2月です。