桜キッキング

4月に入り服装は春物に移行しているのにまだ風が冷たく、
冬の名残りを見せている今時分の気候が一番つらいなと
寒がりの私は襟を立てて身を縮こませているわけですが、
そんな中でも律儀に桜は咲くわけです。
桜も「今年は咲くのやめてみよっかな〜」とか気まぐれを見せたりしないのでしょうか。
毎年自分の足元で酔っ払いが馬鹿騒ぎしてゴミを散らかして、
桜に足があったら蹴りのひとつやふたつ入れてもおかしくないであろうと思うのですが。
怒りの桜キック。
ローが後から効いて来る感じの。
夜風が身にしみる中、桜の下に青い魔法の絨毯を敷き宴に興じている人々を横目に
ふわふわと満開に咲き乱れる桜の花など見やり、
季節が巡ったことを実感しているこの頃です。


しかし春は出会いと別れの季節です。
ソロアーティストにしてfwjバンドでもギターを弾いてくれている中村好伸くんが
この春東京を離れ鳥取に移住するとのことで、
先日彼を送り出そうとメンバー全員で壮行会的な宴を催しました。
彼がfwjバンドに参加し始めてもう5年くらい経つんでしょうか。
この5年の間、共に数々のステージに立ちました。
バンドで極寒の知床に演奏旅行に行き流氷ウォークをしたり、
ひじきさんのラジオ番組に出たり、写真撮影のついでにピクニックしたりと
様々なシーンで様々な思い出を共有したなあと振り返ってみたりする次第です。
震災直後余震に怯えながらリハをし、
節電で真っ暗な渋谷の街を「日本大丈夫かな」と不安を共有しながら
みんなで楽器担いで歩いた光景などを思い出したりします。
まあ彼もライブ活動でちょくちょくこっちに来るし、
fwjにも可能な限り引き続き参加して貰う予定なので
これまでと変わらないといえば変わらないんですけどね。
カレー好きな彼のために餞別としてメンバーからそれぞれカレーにまつわるものを贈り。
カレールーやカレー専用弁当箱、カレーの本やカレーのお菓子などが彼に華麗に手渡されました。
きっと向こうに行ってもカレーを食べて元気に活動してくれることでしょう。
新譜もリリースされたばかりですし。
宴に於いてはこれまでの思い出話に花を咲かせたというより、
いつも通り世間話しながらだらだらと飲み。
まあ結局いつもの飲み会の様相だったんですけどね。
横山氏特製の餃子が大変美味でございました。
遠く旅に出る中村くんの前途を祈るばかりです。
僕らの住むこの世界では旅に出る理由があり。
誰もみな手を振ってはしばし別れるのです。