ロンドン旅 その1

そんなわけでイギリスの旅から無事帰国しました。
ホテルではwifiが繋がったのでツイッターでたまに写真をアップしていたんですが、
写真と短文だけだとロンドンも宇都宮や立川や鎌倉などと並列なテンションに見え、
あんまり海外旅行に行っている感が出ていないようにも見えたかもしれませんが、
ちゃんとロンドンに行っていたし、ロンドンハイテンションでいたのです。
ツイッターのアカウント名を「五十嵐@ロンドン旅行中!」に一時変更しようかと思ったくらいです。
まあしませんでしたが。
海外への旅は4年前に仕事で行ったアメリカ以来だったんですが、
その時は飛行機内にてCAのおばちゃんにチキンの発音が聞き取れねえぞと罵声を浴びせられ、
シクシクと咽び泣く事件があったんですが今回はそんなこともなく
(律儀に出される機内食で常にお腹いっぱいでしたが)、
無事12時間のフライトを経てイギリスはヒースロー空港に降り立ちました。
時差が8時間ということで、日本を発った日の昼にまた戻るというタイムトラベル感を味わったのですが
(西村京太郎ミステリーのトリックに使えないかなあと考えた辺り己は日本人であるなと思いましたが)、
機内では一睡もせず映画を見ていて24時間起きっぱでイギリス時間に合わせる感じになりまして。
それでもまあ久々の海外で緊張してるせいか眠くならなかったんですけどね。


空港からは地下鉄で中心部へ移動したんですが、
これが赤と青のキカイダーを思わせる色味のこじんまりした乗り物で。
「じんぞうにんげん、きーかいだ〜」と、キカイダーの主題歌を口ずさみつつ、
まさか石ノ森先生もイギリスにて歌われるとは思わなかったろうと想像しつつ
それにガタゴト揺られまして。
こんなこじんまり具合の車内で外国人の方は狭くないのかしらと思いつつ
(まあここでは我々が外国人なんですが)、
怖そうな人が乗って来ると「すわ!スリか!」などと警戒し、
お金も分散して所持するというカツアゲ対策に勤しむ中学生の如き行動を取ってしまい
我ながら情けナッシングだったんですけどね。
野生のジャングルに放たれた子鹿の如き様相でプルプル震えながらも何とか移動出来ました。
そうしてラッセル・スクエアという駅に降り立ち、満を持してロンドン上陸と相成りまして。
さすがに街並が違いますね、日本とは。
歴史を感じさせるレンガ造りの建造物が並び、道路には2階建てバスが走り。
街を行き交う人たちも外国人ばかりです。
(だからここでは我々が外国人なんですけどね)
まごうことなきロンドンなのです。
ろん、ろん、ろん、ろん、ろーんどーんきゅうこ〜う〜と、
井上陽水の名曲「ロンドン急行」が口をついて出たほどです。
取り敢えずホテルにチェックインし、荷物を置いてさあ観光かと思いきや
まずはヤマト運輸に荷物配送の手配と段ボールを受け取りに行くということになり。
そう、今回は嫁の店の商品買い付けの旅に便乗して来ているので半分は仕事なわけです。
そんなわけで近くのヤマトの店へ赴き、段ボールを貰って部屋へ運んだのですが、
運びながらロンドンの街並を色々見ることが出来ました。
街にはパブやカフェがそこかしこにあり。
みな店の外でコーヒーやビールやらを飲んでおるのですね。
それが絵になるのです。
またそこかしこに公園もあり、緑の色が瑞々しく。
そこでみんな座って休んだり本を読んだりチェスをしていたりするのです。
お洒落な店の看板や外装にいちいち感心し、
それぞれの家の前にある住所を知らせる番号のフォントのセンスに感心し、
コンビニやチェーン店だらけの日本の地方都市とは風景が違うなあと思いましたね。
(後で意外にチェーン系の店も多いんだなと気付きましたが)
ロンドンの人たちは余裕で信号を無視するので最初は慣れなかったんですが、
変なタイミングと変な箇所で信号が変わるので確かに車が来てない時に渡るのが合理的なんですね。
また青から赤に変わるスピードが速くて「わ、ちょっと待って!」と轢かれそうになる場面が多々あり。
赤と青信号の表裏一体感がキカイダーのようで再びキカイダーの主題歌を口ずさんでしまったほどです。
その後部屋に戻り段ボールを組み立て、買い付けの荷物の準備をして、
あとはスーパーで買い物などしてたらもう夜になってしまい。
(まあ夜といってもこの時期ロンドンは21時くらいまで明るいので
ますます時間の感覚がわからなくなるのですよね)
夕食はロンドン然としたものを!と思いつつ何故か近くのイタリアンレストランに入ってしまい、
しかも隣に座った人が日本人のおばちゃんたちで、
日本語をふんだんに聞きながらイタリアンを食すというよくわからない展開になりましたが、
まあこれもロンドンか、うむロンドンだな!ということで納得させましたけどね。
その後ゲイ専門の書店に間違って入りそうになるという事件などありつつも部屋に戻り、
機内で一睡もしていなかったのでもう限界だ!と倒れこみ爆睡に至ったのでした。


その夜は何故か「若乃花の家に招待される」というロンドン感皆無の夢を見たんですが、
相撲レスラーの如く大和魂を持ってロンドンに臨めということなのかなと解釈に至った私です。
(なんで貴乃花じゃなくて花田勝氏の方だったのかは謎なんですが)
そんな感じでヤマトの段ボールを大和魂と共に運び。
私はロンドンに降り立ったのです。