師走の認定

気が付けば師走になっておりました。
今年も残り1ヶ月を切っていると思うとえらいことです。
時の経過の早さが恐ろしいくらいです。
「こわい、こわいの!」と往年の浅野温子のテンションで言いたくなるほどです。
ついこの間まで夏だと思ってたのにもう真冬の寒さになっているという。
このスピードは何なのでしょうか。
「少しも寒くないわ〜」という流行りの歌を聞く度に
「阿呆か、寒いわ!激寒だわ!」と悪態をつき、
それこそありのままでいられた温かな夏の気候に想いを馳せる日々です。
今季も私は妖怪カサネギーと化して重ね着に重ね着を重ね、
着膨れしながら過ごすことでしょう。


そんなカサネギーの私ですが、相変わらず慌ただしい日々を師でもないのに走り回っており、
忙しいという字は心を亡くすと書くね、亡くさないように気を付けないとね、
などと言い聞かせながらせっせとワークに励んでいます。
まさにザ・年末といった様相です。
しかしあんまり頑張って励み過ぎるのも考えものです。
先日、昼間に路上を歩いていると前歯の欠けたよれよれの格好をした浮浪者然としたおじさん
(日本エレキテル連合のいいじゃないの〜と言うおじさんに似た風貌)に
「おっ、お兄さん頑張り屋だね!」と突然話し掛けられ、
何だか恐いので無視するも
「頑張り屋!見ればわかるよ〜。が、ん、ば、り、やっ!」と、
節を付けてしつこく話し掛けて来るので、
「何なんだ!むしろお前が頑張れや!」と内心ツッコミを入れながらやり過ごしたのですが、
自分は普段からそんなに頑張ってる感が出ちゃってるのかと反省も同時にした次第です。
妖怪ガンバリヤーと化していたのをおじさんに見破られたのでしょうか。
もしかしておじさんは逆説的に「あんまり肩に力入れて頑張るなよ」
「気楽に行けよ」というメッセージを私に送ってくれたのでしょうか。
だとするとありがたいお言葉です。
あのおじさんはよれよれの格好をした浮浪者然としながら、
実は的確なアドバイスを与えてくれる神様的な存在か何かかしらと思い、
振り返って見たら次は若いお姉さんに絡んでて冷たくガン無視されてましたけどね(笑)。
見知らぬおじさんに頑張り屋認定されてしまった師走です。
そこそこの頑張りで乗り切ろうと軽く決意した次第です。


ところで日本エレキテル連合と言えば今年の躍進は目覚しかったですね。
彼女らのコントを初めて見た時は独自の世界観とセンスある言葉のチョイス、
メイクと衣装と喋り方の端々まで丹念に作り込まれたキャラに感心し、
久々に本格的な実力派女芸人が現れたなと友近以来の衝撃を受けたものですが。
まさか流行語大賞を取るほどまでになるとは思いませんでした。
お笑いの世界はこういうことがあるから面白いものです。
流行語大賞を取った台詞が出て来る彼女らの「未亡人朱美ちゃん3号」のネタを見る度に
湯布院にフェリーで旅立ってみたくなるのは私だけでしょうか。
あのおじさんが朱美ちゃん3号を連れてフェリーで湯布院に行く旅を想像するだけで
奇妙さとおかしみと哀愁が満ち、文学の香りさえ漂うほどです。
2014年はこのネタとチョコレートプラネットの「ポテチの袋を開ける業者のネタ」が印象深いです。
(まあ朱美ちゃんのネタは2013年からやってましたけどね)
もうすぐTHE MANZAIもありますし、まだまだお笑いの新星の誕生を期待したく思う私がいます。
1年の嫌な出来事も笑って忘れることが出来れば良いわけで。
鉄板のすべらないネタを期待したいです。
それこそ。
少しも寒くないやつを。